音楽とか、考え事とか

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日々考えたことを書いています。

松田聖子の本当のスゴさを知っているか?

隔週で聴いている「NFradio」の影響で少し前から松田聖子さんの80年代の曲を「ちゃんと」聴くようになりました

 

その当時の松田聖子さんの一般的なイメージって

 

・80年代のトップアイドル

・聖子ちゃんカット

・やたらとぶりっ子

 

ってとこかな?

少なくともぼくはそれぐらいの認識でした

 

見た目やキャラが先行して歌をきちんと聴いたことがなかったのですが、実はめちゃくちゃ上手いんですよね、マジでビックリしました

 

ぼくは音楽的なことが全くわからないので「歌の上手さ」にもかなり鈍感なんですが、それでも耳を奪われるほど高音がのびやかで、語尾を上げて歌うのもカワイイし、なにより歌声が生命力に溢れているんですよねー

 

そりゃ皆んな好きになるはずだ。

 

改めて聴いてみたい方は「青い珊瑚礁」あたりがいいかな?

サビ始まりでいきなり高音を堪能できて、時短現代人にぴったりです

 

でも彼女のスゴさはそれだけではありません

(NFラジオの受け売りですが)その歌い方も、聖子ちゃんカットも、ぶりっ子キャラも、全てセルフプロデュースなんだそうです

 

てっきり誰かの指示で「やらされている」と思っていたのですが、自分の意志で「松田聖子」を作り上げていたんですね

そういったことを知った上で改めて歌を聴くと、その力強さの根幹が理解できる気がします

 

彼女がデビューしたのは1980年、折しも山口百恵さんが引退したのと同じ年でトップの座が突然空席になり「次は誰が座るのか?」と業界がザワついていたタイミングでした

そんな中、明確な戦略をもってトップの座を奪い取ったのが「松田聖子」なんです

 

引退の発表は事前にあったわけですから、その日に向けて各事務所がちゃくちゃくと準備を進めていたはずです

 

・似た路線のアイドルを投入するのか?

・全く違うキャラでいくのか?

・ならそれはどんな子を起用するのか?

 

どれだけ思惑が渦巻いても正解は誰にもわかりません

 

山口百恵さんは「不良ぶってるけど根はいい子」というちょっと影のあるイメージでトップに君臨していました

それに対するカウンターで「清純派ぶりっ子アイドル」路線を「チーム松田聖子」は選んだんでしょう

 

時代の振り子が「逆方向に振れだす」と読み、実力も相まってこの戦略は大当たり!

世間の女性だけでなくその後のアイドルが皆んな真似るほどのインパクトを世の中に与えました

 

彼女がデビューしたのは「高校卒業を待たず」なので、10代後半~20代前半にかけてそれだけの偉業を成し遂げたことになります

 

もう、天才ですね。

 

もちろん事務所が本人の意思を潰さず尊重したことや、潤択なお金をかけて売り出したことも大きな要因ですが、この頃の「個人よりも組織優先」の時代に周りの大人に意見して自分のやりたいことを貫くのは並大抵のことではなかったはずです

 

しかも今のように「とりあえずデビューさせてダメだったら次!」なんて許されない時代でありタイミングです

各社が目の色を変えてトップを奪いにいってますので、この時期にデビューさせたアイドルには社運をかけるほどの期待とプレッシャーがあったはずなんです

 

そんな中で、ハタチそこそこの若さで「私はこんなふうにしたい」なんて意見を貫くのもスゴイし、貫かせた「チーム松田聖子」も素晴らしいです

 

※余談ですが、言いなりに嫌気が差して事務所に無断で突然髪をバッサリ切ったのが小泉今日子さんです、こっちもスゴイ!

 

そうやって本人がやりたいこと、事務所の戦略、時代が求める偶像がバチッとハマった結果、トップアイドルの座に上り詰めたってことなんでしょう

 

その後は結婚、出産など人生のイベントを経て円熟味を増し、現在でも熱狂的なファンに支持されています

アラフォー女性なら自身の結婚式で「聖子ちゃんみたいなドレス」を着たり、カラオケでは「必ず聖子ちゃんを歌う」なんて方も多いのでは?

 

それだけその世代に影響を与えた人物なんですねー

 

ぼくもテレビでリアルタイムに見ていたのですが、そのスゴさには全く気がついていませんでした

今それに気づけて人生が少し豊かになった気がします、ありがとう山口一郎さん

 

現在、大ブームを巻き起こしている「クイーン」もそうですが、自分が知らないだけで素晴らしい音楽はまだまだありますよねー

 

メンドクサがらずに色々聴いていこうと思います

 

ではでは

 

※今回のエントリはNFradioに寄せられた「最近オジサンが聴く音楽の特集ばかりでツマラナイ」というヤングな意見に対して、思うことを書いてみました

 

※2019.1.10追記 2018年末の紅白歌合戦のパフォーマンスで「キーが低い」という批判があったそうですが(見てないんです)、加齢やその日の調子によって下げざるを得なかった理由があるんだろうし、その分は表現力でカバーしてたのでは?なんて思っています