初期ジブリ映画の代表格とも言える「風の谷のナウシカ」ですが、その原作漫画をその当時から30年あまり経過した今、このタイミングで読んでみました
結論から言うと、、、その当時に読んでおくべきでしたー
※以下ネタバレがありますのでご注意ください
全7巻のうち1〜2巻は概ね映画の内容に沿っています
ナウシカが腐海を探索する形で物語が始まり、その中で腐海とその毒性の説明があり、ユパ先生が襲われる形で王蟲の攻撃特性の説明もしています
そうやって読者はその世界観やルールを理解していくのですが・・
実はこのお話はそうやって冒頭で描かれる前提やルールを、その世界を作っている根幹を、その後の展開でどんどん覆していく物語りなんです
「腐海は実はこの世界を浄化している」
というのは映画でも描写があったので観た人は理解していると思います
でも原作にはその先があります
「地下500メルテからくみ上げた水と土で育てれば腐海の植物は瘴気を放出しない」という描写が映画でもありましたね
原作の漫画では「でもそのキレイな水で育てると私たちが口にする作物が育たない」という、さらに先につながる物語の根幹にかかわる描写があります
そういった「なぜそんな世界になったのか?」を解き明かすのがナウシカという物語なんです
※気になる方は原作を読んでみてください
んで大事なことなのですが、こういった
「唐突に始まる物語でその世界の前提をミスリードし、終盤のドンデン返しの衝撃を大きくする」
という手法は今の2022年では当たり前になっています
読者もそういった表現に慣れていますから最初からあらゆることを疑いながら物語を追い、それを作者がどうだますか?というバトルになっているんですね
でもおそらく(漫画の世界では)ナウシカが発売された1982年頃の読者はそこまでスレておらずもっとピュアな気持ちで漫画を読んでいたはず。
そんな中でこのラストのドンデン返しを目の当たりにしたなら、それはそれは大きな衝撃を受けたと思うんです
その衝撃の大きさは2022年の現代に読み返すのとは比べ物にならないでしょう
そういった「その当時読んでいれば受けていたであろう衝撃」に対する喪失感を強く感じました
しかもそういう「機会の損失」はその後の人生にも影響している可能性があります
例えば子供の頃にそういった価値観がひっくり返るような衝撃に出会っていたなら、そこから漫画家や小説を目指していたかもしれません
それまでとは物語への向き合い方が変わり、研究家になったり評論家になったりしたのかもしれません
今ならそういった専門的な見解をブログなどで発信し、そこからインフルエンスを獲得し収入を得ることもできるんです
そう!
人生を変えてくれるような衝撃にはできるだけ早い(若い)ときに受けるべきで、それによってその後に就く仕事や働き方、稼ぎ方まで変わる時代なんです
そう考えるとやはり話題作にはリアルタイムで触れておくべきなのかもしれません
機会損失のない人生を。
ではでは