かれこれ20年以上、仕事をしながら「FM802(以下802)」を聴いてるのですが
そうやって長く聴いていると時代の変化をヒシヒシと感じるんですよねー
特に感じるのが広告費の減少による変化です。
ラジオ番組はスポンサーの広告費でなりたっていますが、どの企業も経費削減で広告費を縮小させる中、それまではおそらく避けてきたであろう「パチンコ」「消費者金融」「創価学会」などのCMがバンバン流れるようになりました(これはテレビも同じですね)
どの業界がカネを持っているのか?が非常にわかりやすいですね。
現在は弁護士事務所による「過払い金請求 」のCMが最も多いように思います(あとは婚活、引越し比較、車買取比較など)
※この過払い請求のCMはかなり面白いのでそのうちエントリに書きます
それ以外にも、番組と番組の間に数分程度の「通販番組」を挟むようになったり、番組内でも「ラジオショッピング」をするようになり、現在は「番組内通販」が完全に定着しています
いつも親しんでいるDJさんが商品に大げさに驚いたりするのを聴いて、最初は敗北感がありましたがこれも時代の流れだから仕方ありません
番組内で流す曲にも変化を感じます。
番組で流す曲は
①レコード会社などの広告費枠の曲
②今ヒットしててリクエストの多い曲
③自主イベントに出演してもらうアーティストの曲
④DJやスタッフが純粋に流したい曲
があると思うんです
①は番組予算に関わることだから必須
②はこれをかけないと大衆性を失うのでやはり必須
③は局や番組が主催するイベントに誘導するため
④は「これがしたくてこの仕事を選んだ」レベルの大事なやりがいなんでしょう
この④の比率が以前に比べてかなり圧迫されているように感じるんですよねー
まさに「やるべき事とやりたい事の両立は難しい」ってやつです
以前にも書いていますが「やるべき事」の中にどう「やりたい事」を入れ込んでいくのか?とも言いかえられます
ラジオショッピングがしたくてFMラジオのDJを目指す人なんているはずがありませんし、ヒット曲を流すことなんてどの番組でもやっていることです
そうではなく「今日の天気に合う曲」「素晴らしいのに認知度の低い曲」「まだ誰も知らないバンド」などをかけて、自身のセンスに共感してもらいリスナーを増やすのが目的のはずなんです
そういった「押し曲」もモチロン流れてはいるんですが、以前よりもその自由度が低くなっているように感じます
もしぼくが大金持ちなら予算の全てを出して「好きなようにやっていいよ」といってあげたい
そう考えると「募金するような感覚で大金を出せる人」と「音楽業界のシガラミに一切関知しない運営陣」がいないと、本当に純粋で「やりたいことしかしない番組」は作れないのかもしれません
もちろんDJさんのトークは相変わらず面白いんですが、それが「楽しみのメイン」ならAMとたいして変わりませんし、それじゃDJじゃなくパーソナリティです
そうではなく「新しい音楽との出会い」を求めているからこそFMを聴いてるんですよね
思えば802を聴いていて「これいい!」という音楽に出会うことがホントに少なくなりました
まあ、ぼく自身のストライクゾーンが異常に狭いこと、ぼくが好きなロックが世界的に下火になってることも大きく関係しているとは思うんですが、やはり寂しいですよね
(まだまだしばらくは80~90年代リバイバル旋風が吹き荒れそうな予感です)
ちなみに上記のようなモヤモヤを感じて「FM大阪」を聴いてみたこともあるのですが、こちらはもう完全にAM化しており、トークのトーンや通販の多さなどとてもFMとは思えない雰囲気でした
そんな中でも802は踏ん張ってくれているんだなー、ということを改めて感じることができたんです
感謝感謝、ガンバレ!802!!
これからも応援しています
ではでは