音楽とか、考え事とか

音楽とか、考え事とか

日々考えたことを書いています。

年寄りだと思って馬鹿にするな!

って、言われたことあります?

もしくはそういった現場を目撃したことあります?

 

あれ?ない??・・・もしかしてドラマの世界だけだったりして・・

 

まあ、僕はありますので「ある」っていう体で書きますね

 

このセリフ、だいたい年配の男性が発することが多いと思うんです

 

顔を真赤にして、いわゆる激昂している状態ですよね

自分より若い人に笑われた、バカにされた、自尊心を傷つけられた、そう感じた時に発する言葉です

 

でも

 

そうやって笑われたのは「年齢のせい」じゃないですよって声を大にして言いたいんです

 

お年寄りが勘違いしたり動作が遅くても「仕方ないか、お年寄りだし」と大目に見てくれることがほとんどです

もちろんイライラする人もいますけど、それをぶつけても仕方ないと普通の人は考えます

 

「歳を取ること」は「衰えること」だと誰もが理解してるからです

 

それならばどういうシーンでこのセリフが出てくるのでしょうか?

 例えばこんなシーンです

 

あるお年寄りの男性がスーパーに買物に来ました

 

その男性は現役時代の仕事柄、販促や効率化を熟知していると自負しており、そのスーパーは商品の陳列がイマイチで少し手を入れれば「もっと売上が上がる」と常々思っていました

 

ある日、店長と思われる男性がいたので声をかけます

 

「店長さん?」

「はい、いらっしゃいませ」

 

「前から思ってたんだけどね、商品の陳列を変えてみてはどうかな」

「商品が見づらかったですか?それは申し訳ありません」

 店長は営業スマイルで答えます

 

「いやいや、そういうわけじゃないんだが、もっと売れる陳列があると思ってね」

男性は親切のつもりで助言します

 

店長は笑顔のまま

「そうですね、一度見直してみてもいいかもしれません。貴重なご意見ありがとうございます」

そういって作業に戻ろうとします

 

会話を切り上げようとしている店長をよそに男性は続けます

「もっとね、ここをこういう風にするといいんだ。実は私はね、現役時代はそういった仕事をやっていて、鼻が効くんだよ」

 

この辺りで店長の笑顔が強張りだします

「そうですか、なるほど専門家なんですね。鋭いご指摘ありがとうございます。ただ、今はこの作業を先にしないといけませんので、その件は後ほど検討させていただきます」

 

 

そしてまた別の日

 

「ああ、店長さん」

「はい、いらっしゃいませ」

 

「陳列、まだ変わってないね?」

店長は少し間をおいてから思い出し

「・・・ああ、すみません、まだちょっと手が回らなくって・・」

 

一瞬ヘンな空気が流れます

 

「すみません、次の会議で議題に出してみます」

作業をする手を忙しく動かして話を切り上げようとする店長

 

ですが男性は引き下がりません

「いやいや、そうやって後回しにすると雑用に紛れて忘れてしまうんだ。そうやって売上を落とした店を何軒も見てきたんだよ」

 

話は止まりません

 

「忙しさをできない理由にすると結局何もできなくなってしまうんだ、わかるかい?」

いつのまにか店長の顔から笑顔が消えています

「・・そうですね、申し訳ありません。以後気をつけます」

 

「いやね、文句を言ってるわけじゃないんだ、この店のためを思って言ってるんだよ」

さらに続ける男性

 

さすがに面倒になってきた店長は

「そうですか、ですが少し急ぎの作業がありますのでこれで失礼致します」

と言いその場を離れようとします

 

迷惑そうな顔の店長に男性は憤慨します

「いや君ね、私はこの店のために言ってるんだよ!」

 

段々ヒートアップしてきます

「売上が上がれば君の評価も上がるだろう、なぜそうしようとしないんだ。それはね君、怠慢というものだよ!」

 

店長はもう目を合わそうともせずに立ち去りながら言います

「すいません、ちょっと今忙しいんで・・」

 

そう!ここで登場ですね

 

「君ね!失礼じゃないか!せっかくアドバイスしているのに・・年寄りだと思って馬鹿にしているのか!!」

 

 

いろいろ指摘したいことはあるのですが、最大の原因はこの男性が「暇を持て余している」ということです

 

現役を退いて別の楽しみを見つければいいのに、それができず日常に自尊心を満たすものが何もない

 

「俺は長い間会社に貢献してきたんだ」

「朝から晩までガムシャラに働いてきたんだ」

「俺の稼ぎで家族を養ってきたんだ」

 

こんな風に「働くことで得られていた充実感」は定年とともに消えてなくなります

 

かつての部下が訪ねてくることもなく電話一本もかかってこない

「あんなに親身になって育ててやったのに」

そんな不満も抱えているかもしれませんね

 

そんな「満たされない気持ち」を何とかしようとするあまり、おせっかいを焼いてしまうんですねー

 

年寄りだから相手にされないんじゃありません、部外者がわかった風な顔をしてウザいだけなんです

 

道を歩いていて急に「歩く姿勢がなってませんね」なんて言われて素直に受け入れる人なんていません、それと同じです

そんなこともわからないような精神状態になっていることが問題なんです

 

「年寄りだと思って馬鹿にするな!」って言ってる人が一番「年寄り」を馬鹿にしてると思うんですよねー

 

「歳のせいにするな」って言ってやりたい!

 

ではでは