数年前から高速道路の逆走が多発してますね
先日もまたニュースに上がっていましたので、ちょっと気になって調べてみたのですが・・
こちらの記事を見て「やっぱりな」と呆れてしまいました
「高齢男性ドライバーの8割は運転に自信がある」「4割が逆走は自分とは無関係と考えている」などなど「どうかしてんじゃないの?」という数字がズラズラと並んでいます
これってひと言でいうと「想像力の低下」だと思うんです
これまで大丈夫だったからこれからも大丈夫、っていう思考ですね
「操作を誤ると車は凶器になる」ということを免許取得時に叩き込まれたはずなのに、日々運転する中で慣れてしまい恐怖を感じなくなってしまったんですね
そうじゃないと運転に自信なんて持てません。
専門のトレーニングを受けたプロドライバーならともかく、多くの一般ドライバーは突然目の前に何かが飛び出してきたら「適切なブレーキングとハンドル操作で回避する」ことすらできないんです
「いや、自分は避ける自信がある」
という人は、これまでたまたまそういった「気をつけていても避けられない事故」に出くわさなかっただけです
どんなに慎重に運転していても避けることのできない「もらい事故」があるのに、そんなことも想像できないほど危険な状態になっているってことなんですねー
「急ブレーキ講習」というのがあります。
これは「イザというときでもブレーキを力いっぱい踏み込めない人」のために、反射的に踏み込めるようにする練習をさせてあげる講習です
(今はシミュレーターでやるのかな?)
専用の場所で被験者を30キロほどで走行させ、ポイントに差し掛かると人形が飛び出してきます
複数体の人形はどれが飛び出すかわからない仕組みで、被験者はビクビクしながら運転し、飛び出しに反応して、跳ねてしまわないように急ブレーキをかける、というものです
最初は人形を跳ね飛ばしていた被験者も次第に慣れてきて、しばらくするとどれが飛び出してきても適切に対応できるようになります
そうやって被験者が「急ブレーキをマスターしてきたな・・」と実感した頃合いを見計らい、ポイントに差し掛かる手前の車に向かって講師がカラーコーンをフロントガラスに投げつけるんです
どうなるか?
突然の出来事にパニックになってしまい、そのまま人形を豪快に跳ね飛ばしてしまうんですね
その講師の方が言うには、この試験にパスした被験者は一人もいないそうです
そんなこと実際の運転中には起こらない?
そう思うんなら、すでに想像力がかなり低下しています
動物、子供、自転車、バイクなどが急に目の前に飛び出してくる可能性は常にあり、それはカラーコーンのように予測不能な場合も多くあるんです
ぼくの体験ですが
ハタチぐらいのころ運転中に、ぼくの車を左側から追い抜いたバイクが直後に突然転倒し、目の前に滑ってきたバイクを避けきれずに乗り上げてしまったことがあります
たまたま乗り上げたのがバイクだったので大した事故にはなりませんでしたが、これが人間のほうなら轢き殺していたかもしれません
まさか横からバイクが滑ってくるなんて・・
あまりに予想外のことが起きると、こんなもんですね
こういった経験をすると「何が起こるかわからない」ということを心に刻み込まれますので、その後は自分の運転に自信を持つなんて、まあないですね
運転に自信のある人は、単にこういった経験がなかっただけの話で、それが運ではなく自身の運転能力によるものだと過信しているに過ぎないんです
転ばなければ痛みがわからないのなら、それは子供と同じです
ぼくたち大人は転んでる他人を見て、その痛みを想像し、用心しなければならないんです
それができなくなったら、もう運転はするべきではありません
重大事故を起こしてからでは遅すぎますよ
ではでは