音楽とか、考え事とか

日々考えたことを書いています。

重松清さん著「きみの友だち」の感想、自分に向き合うきっかけになる良書です

何度も読み返したくなる本があります

読むたびに胸を打つものがあり、新たな発見があり、何度読んでも泣いてしまう・・・

 

そんなぼくの人生における文鎮のような本が重松清さん著「きみの友だち」です

 

全体を通して大きくつながっていながら各章が独立したお話で、それぞれ別の主人公の視点で物語が進んでいきます

 

そのどれも「人間の弱い部分」がむき出しで描かれ、嫌われたくなくて誰かに合わせたり、誰かの成功を妬んだり、挫折感を受け入れられずヘラヘラしたり、

そういった汚さで自分を嫌いになったり、でもそんな自分を変えることができなかったり・・

 

そういった思春期に誰もが経験したであろうモヤモヤした気持ちが、ものすごく読みやすい平滑な文章で描かれています(読みさすさはすごく大事!)

 

そういうドロドロした部分って誰の中にもありますよね?

もちろんぼくの中にもシッカリとあります。

 

思春期まっただ中、現在進行形で悩んでる少年少女に読んでほしいな~

「自分だけじゃないんだ」と拠り所になってくれるかもしれません

 

でも実は、大人になってからも誰もがそういったドロドロを抱えて、日々悩んだりもがいたりしているんですよねー

ただ大人は少年少女のように真正面から受け止めたりしません

悩み苦しむことには膨大なエネルギーが必要だし、何よりもキツイですからねー

 

ある程度の年齢になると衝撃を緩和して上手くやっていくスキルが身につくんです

誰かに嫉妬するときも何かに迎合するときも「仕方ないよ」と自信を納得させるようになり、その納得する過程ですらルーティン化して、感情が揺れないように省エネに努めます

 

そうやって傷つかないように自身を守っているんですね。

 

でも人間って使わない機能は衰えてしまいます

ドロドロを心の底に沈めて見ないフリをしているうちに、その本質がわからなくなってしまうんです

沈めたって無くなりはしないし、どれだけ遠ざけたつもりでもそのこと自体に後ろめたさがあるため、むしろ腫れ物のように過敏になってしまったりします

 

そこを突付かれるような事があると過剰に反応してしまったりして・・

とつぜん激昂する人の心理ってこういったことなんじゃないのかな?

 

でも嫉妬やズルさって生きていく上で必要なもので、そういう汚い気持ちがあるからこそ、それを乗り越えたときの行動が美しいんです

そのためにはシッカリと向き合って、受け入れて、消化する必要があるんですが、これまたなかなかにキツイことなので、誰もが日々の忙しさにかまけて避けて通りがちです

 

でもそうやって逃げたままの状態で幸せになるのって、なかなか難しいと思うんですよね~

 

そんな中で自分と向き合うキッカケをくれるのが「きみの友だち」なんです

 

自分の代わりにそれぞれの主人公が汚い感情に翻弄され、もがき、失敗してくれるので、それを読み進めるうちに「自分も同じだ」「同じことをしたことがある」と素直に共感することができるんです

 

ドロドロを深いところに沈めると、重りがとれて身軽になったような気がして、ついつい調子に乗ってしまうことがあります

虚勢を張るってやつですね、そういうときって大きな失敗をしたり誰かを傷つけたりしてしまいがちです

 

そうならないように、浮き足立った自分をグイッと引きずり下ろしてくれる「人生の文鎮」のような存在がこの本だと思っています

 

 頑張っているのになんか上手くいかない人には、オススメですよ
 
ではでは