先日、the HIATUS のツアー「Our Secret Spot Tour 2019」の大阪公演に参加してきました
いや~~~、相変わらずサイコーでした
2日間で「脳内の音楽の部分」をしっかり満たしてもらい、数日経ったいまでも多幸感に包まれています
先日も書きましたが、the HIATUS は10周年を迎えるにあたって次のフェーズに入っており、もうモッシュやダイブが起こるようなライブではなくなっています
今回も完全にその流れで初期の頃の曲はほとんど演らないセットリスト、大人の雰囲気のゆったりした気持ちいいライブでした
前の方で一緒に歌いながら観ても誰にもぶつかってこられないし、後ろの方で飲みながら観てもゆったり楽しめる、そんな空間です
ダブルアンコールも含め21曲演奏してくれたんですが、その内訳は
・2ndアルバムから、2曲
・3rdアルバムから、1曲
・4thアルバムから、5曲
・5thアルバムから、3曲
あとはこのツアーのアルバムである6thアルバム全10曲、という構成でした
2ndアルバムから演奏された「西門の昧爽」も、そのままのアレンジではなくビルボードなどで演奏しているアコースティックでジャジーな感じなので、実質的には初期曲とはいえないと思います
ならいっそ2ndからのもう1曲「Insomnia」もジャズアレンジでよかったんじゃないかな?(ビルボードではそうでした)とも思いましたが、そのへんは「今まで」と「これから」のせめぎ合いなんでしょう
このセトリって「今まで」から考えると、ホントに大きな変化ですよね
やっと「今のバンドが鳴らす音」にライブパフォーマンスが追いついたような印象です
もうこれで「本当のファン」だけが残っていきますね
こういったバンドの変化はきっと、メンバーで話し合って決めていくものだと思うのですが、やはりリーダー的な存在である細美武士さんの心境の変化が大きいんだと思います
ポイントはたぶん
「MONOEYES だけでなく去年から ELLEGARDEN が再始動したこと」
だと思います
MONOEYES も ELLEGARDEN もモッシュやダイブが起こる「騒ぐ系」の音楽なので、そういう音楽を2つものバンドで鳴らしていると、the HIATUS ではもうそっちを求める必要がなくなった、ってことなんでしょう
今回のMCでも「the HIATUSで歌を突き詰めていく」とおっしゃっていました
それに「音楽の楽しみ方は人それぞれ」ということを改めて理解したともおっしゃっていました
ムスッとした顔で1時間半のあいだ微動だにしなかったヤツに、ライブ終了後「細美さん!ライブサイコーでした!!」と言われたことがあったんだそうです
モッシュやダイブは「楽しんでいる」のがモノスゴクわかりやすいですが、音楽の楽しみ方ってそれだけじゃありません
ずっと仁王立ちで無表情のままライブを観ているような「他人から見るとつまらなさそうに見える」状態でも、実はものすごく興奮して楽しんでる人もいるんですよね
ホント、人それぞれなんです
そんな転機や理解が自分たちの音楽に対する自信を深めることになり、ゆったりした雰囲気のライブでもちゃんと「楽しんでもらえる」ことを確信し、そして、次のフェーズに進むことにしたんだと思います
私見ですが、音楽が文化として根付いていない日本では
・見た目から入るアイドル系の音楽
・アニメから入る声優さんなどのアニソン
・タイアップを中心としたJ-POP
などがやかり観客動員が大きく、テレビに露出しないバンドも多いロックは、一部のビッグアーティストを除くと、業界としては少し遅れを取っているような気がします
そんなロック界ではフェス文化が業界を支えており、そこでは「みんなで手をつないでサークルを作る」ような「騒いで楽しむ」のが、まだまだの主流のような気がします
Suchmos、Nulbarich、King Gnu、などの横揺れ系の音楽がここのところ注目されているとはいえ、やはり邦楽ロックがフェスの中心であり、タテノリ以外の楽しみ方を知らないリスナーがまだまだ多い印象です
そんな中でそれまでの「騒ぐ系」から「ゆったり系」にシフトするのは、かなり勇気のいることだったはずです
タテノリ大好きリスナーからすると
・ゆったりして騒げない
・英語詞で歌ってて内容もわからない
ような音楽はあまり支持されません
なので、最近のセトリを見て「ハイエイタスはもういいかな」と感じている層も一定数いるはずです
でもそんな層を追いかけても仕方ないと思うんです
商売でいうと安売りで客数を集めているのと何ら変わりません
イナゴの群れなんて集めても仕方ない!
そうではなく、たとえ音楽性が変わっていってもその意味を理解しようと努力し、必死について行こうとする「本当のファン」を集めるのが大事だと思うんです
今回の6thアルバム「Our Secret Spot」は音数が少なくジックリ聴かせる曲が多いのですが、ぼくの音楽理解力ではいまいちピンときていませんでした
でもやっぱライブは違った。
音数の少なさのおかげでそれぞれの楽器が際立ってて、ものすごい存在感を放っていました
特にマサさんのアコースティックギターは本当に素晴らしかった・・
(もちろん他の楽器もボーカルもサイコーでした)
the HIATUS の音楽はこれまでも「ボーカルが前面に立っている」わけではなかったのですが、今回のアルバムではより歌と楽器が同列になったような印象です
ライブ後はやはり音源の聴こえ方もマッタク変わりました
これぞライブの醍醐味ですよねー
こうやって音楽の理解を深め、ライブでも今後はウェイウェイした奴らに邪魔されることなく楽しめそうで、ホントに嬉しい限りです
ありがとう the HIATUS!
ではでは