昨日、ZEPP大阪ベイサイドに「サカナクションのライブ映像上映会」を観に行ってきました
これはNHKが主催しているイベントで、4Kを超える超高画質の8Kで撮影したライブ映像を「ライブハウスで爆音で楽しみましょー」ってやつです
それに参加してみていろいろ思うことがあったので書いておきます
※これより先はネタバレがありますので予備知識無しで参加したい方はご注意ください
さてその上映会ですが、大前提として
「NHKが2020年オリンピックを見据えて今年12月から本格的に運用を開始する8K放送を体験してもらう」
というのが目的で、これが全てです
サカナクションの魅力を引き出そうとか、なにか特別な演出があるわけではなく、「8Kってここまで臨場感があるんですよ!」というCMイベントなんです
だから純粋に「ライブを観る感覚で参加した人」には違和感を感じる点がイロイロとありました
その原因は以下の3つだと思います
①MCの盛り上げ方が肌に合わない
②音量が小さすぎる
③上映時間が短すぎる
※ツイッターで「8Kヤバイ!もうライブそのもの!!」「臨場感がスゴイ!幕張に居るみたい」なんて賞賛もあるのですが、これについては後述します
では順番に見ていきましょう
まず①のMCさんですが、おそらく関東~東日本の方で進行の仕方や盛り上げ方がどうも関西人の肌に合わないんです
「台本通りに進めています」という感じで会場をあおる言葉さえも台本に書かれているのかな?と感じてしまい、いまいちライブ感がないんですよね(目の前に居るのに)
また、関西人ならこっ恥ずかしくて絶対言わないようなことを平気で口にします
例を挙げると「では今から僕が魔法をかけます」とかですね、真顔で言う感じがゾワゾワしてしまいます
そんなセリフで「映像上映開始!」なので、会場が温まりきらないうちにスタートする感じでしたね
②はたぶん、NHKならではの配慮なんだと思います
「耳鳴りが起こるほどの爆音で健康を害する訳にはいかない!」なんてところかな?
おかげでライブ映像が始まっているのに話し声がフツーに聞こえる程度の音量で、なかなか映像に没入できませんでした
しかも口ずさむと自分の声が自分の耳に聞こえてしまい興ざめしてしまいます
「関西人はノリがいい」といわれますが、その前に「照れ屋が多いけど」という前提があるんです
本物のライブでも音量が足りないといまいち盛り上がらないのに、映像で音が小さいとどうしようもありません
前の方の観客はライブのように手を上げたりして頑張っていましたが、後ろの方は完全に「上映会」で体を揺らす程度の人がほとんどでした
ただ、「SORATO」「ミュージック」のようにデジタル系の曲は8Kと相性が良いようで臨場感がかなりあり、そのあたりからは会場全体で盛り上がり始めました
そのまま「アイデンティティ」「多分、風」の流れではライブ会場さながらの盛り上がりだったと思います(後半20分間ぐらいですね)
あと、「目が明く藍色」の合唱パートでは臨場感がすごかったです
全方位から歌声が降り注いでくるような感じで「音に包まれている」ことを強く感じました
そう考えるとロックバンドのライブよりも「第九などの合唱」のほうが8Kとは相性が良いのかもしれませんね
③はとにかく上映時間が短いんです
上映時間は19:00~20:30で1時間半なのですが、開始前のMCがあり、上映が始まると8KのCM映像があり、終了後にまたMCがありあますので、ライブ映像は実質1時間ぐらいだと思います
2時間半のライブを1時間に短縮するので曲を端折るしか無く、セットリストが歯抜けの状態なんですよね
サカナクションのライブは通常、アッパーな曲で始まって、中盤に静かな曲でドップリとサカナクションの世界に浸らせておいて、ミドルテンポの曲からアッパーな曲につなげて大盛り上がりで終焉、という構成です
それなのにその中盤で「最も深くまで潜る曲」を端折ったせいで、サカナライブに慣れた人ほど「ん?ああ、端折ったのか」と違和感を感じて「映像であることを意識」してしまうんです
時間が短いので仕方ないのですが、こういった構成も盛り上がりきれない要因になっていたと思います
なのですが、その「深く潜る曲」がなぜか最後の方の本来の曲順ではない位置で演奏されたりして「ん?ここで??」「ならなんで元の位置にしなかったの?」なんて思ってしまいました
その「切り貼り感」がよけいに「映像である」ことを意識させてしまっていたように思います
まあ、もちろんサカナクションが曲順にも監修しているはずなので「それはそれ」ってことなんでしょうけど、やっぱ元の位置でよかったんじゃないかなー
※2019.1.2追記 同じ映像を使ったNHK番組を見て「番組構成のための曲順」であることを理解しました
もっと細々したことを言えば
引きの映像だと「ライブ感」があってもアップになると「映像を見てる感」が強くなるので、映像ライブ用の撮影アングルにするべきだったとか
「ユリイカ」「シーラカンスと僕」などの映像系のステージは8Kものすごく相性がよく、ホントに「本物のライブ!」と感じる瞬間があったけど、それ以外は別に8Kである必要はないなーとかね
それを強く感じたのは映像スタート時の8KCM映像で、ドンドン映し出される「世界の絶景映像」がもうすごかったんです
「自分の目で実際に見るよりも鮮明なんじゃないか?」と感じるほどの迫力映像で「8Kスゲー!」と会場の誰もが感じたはずです
なのにいざ本編のライブ映像が始まると、まあ確かにキレイな映像なのですが「あれ?さっきのほうがすごくなかった??」と感じた人も多かったはずです
まあこのへんが「NHKによる8K映像のCMイベント」たる所以ですね
あくまでも「8Kを宣伝するため」にサカナクションのライブ映像を使っているに過ぎず、だからこその「無料」なんでしょう
(タダなら文句言うなよ!って話ですが)
8Kを褒めるのもやたらと寒々しくて、①のMCさんの話に戻ってしまいますがライブ映像終了後に「まさに幕張に居たように感じました!」なんてセリフも「え?マジで言ってんの??」と感じてしまいました
まあ、MCは褒めるのが仕事なので仕方ないのですが、そのへんの言葉の選び方も肌に合わないんですよねー
その現地の方をMCに据えるほうがいーんじゃないのかな?
あと、ツイッターを見ると「絶賛」と「冷静な意見」が混在していますが、これはライブ年齢の違いによるものです
ライブにハマり始めた「ライブ1年生」は、もうライブの興奮に酔った状態が続いていますので、ライブに関することなら何でも「ヤバイ!」「マジ半端ねー!」となりがちです
付き合い始めのカップルのようなもので「好き好きモード」でバラ色メガネをかけて世界を見ているんですね
そんなお子ちゃまのコメントなんてアテになりませんので、ぜひ冷静な意見を元に概要を把握してください
いろいろと書きましたが無料で8Kライブ映像を体験できたことは素晴らしかったと思います
次回は映像ライブ用に撮影して、ライブと同じ音量、音圧を実現したライブを観たいですね
ではでは
実際のライブの感じはこちらを~