音楽とか、考え事とか

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日々考えたことを書いています。

読書感想文を本気で書いてみる書き方

 

夏休みに苦労する宿題といえば読書感想文だと思います

なんせまず読まないと感想も何もありませんから、読んで書いて、2段構えで面倒なんですよねー

 

今どきの学生さんも苦労している方が多いように聞きますので、困っているならまずは書き方の検索ですね

カンタンな書き方のコツならネットを検索すれば山のようにハウツーが出てきます

 

そうではなく、ここではもう一段上の「本気の読書感想文」つまりは「読者の心をつかむ」文章の書き方を真剣に考えてみます

 

 

まずは目的を明確にする

 

まず意識としては「読む人間を唸らせてやる」ぐらいの感じですね

そのほうが書く方も読む方も絶対オモシロイはず

 

それでなくても教師は「担当クラスの生徒の数」だけ読書感想文を読むハメになり、同じような切り口で「あらすじをなぞるだけのタイクツな文章」ばかりでウンザリしています

 

そのせいでつい「流し読み」になっちゃっても仕方ないと思うんですよねー

 

そんな中で「斬新な切り口」や「独自の解釈」で書かれた文章に出逢えばきっと先生も食いつくし、それが心を打つような内容なら、その後のその生徒の評価にも影響するに決まっています(センセイモニンゲンデス)

 

「読み手を楽しませる文章を書く練習」だと思って、本気でやってみる価値は充分にあると思います

 

さらに大事なのは、いずれ働くようになると報告書や企画書からビジネスメールやお礼状など、文章を書くシーンに多く出くわします

その際に「読み手の気持ち」を全く無視した文章を書いていると、要点がなかなか伝わらず業務に支障が出たり、一生懸命書いている文章なのに相手の印象に残ることができず「その他大勢」に埋もれてしまいます

それが自分にとってどれだけ「大きな損失」なのか?はその時にならないと肌でわかりませんし、その時点から「読み手を意識した文章」を書けるように練習するのはかなり大変です

 

「心をつかむ文章を書けるかどうか?」はその後に人生に大きく影響しますので、そのためのトレーニングだと思ってくださいねー

 

キーボードを手に入れ、使えるようにする

 

手書きで「400字詰め原稿用紙 5枚以上」なんて課題が多いと思うのですが、いきなり手書きで始めると修正がかなり面倒です

書いて消して書いて消して・・なんてのを繰り返すと、それだけでもう嫌になっちゃいますよね

だからといって修正せずに書き進めると、辻褄を合わせようとして段々とムリが出てきて「最初のほうに書いたこと」と「これから書こうとしていること」の整合性を保つために、ウンウンと頭を捻ることになります

 

サクッと修正できるデジタルで下書きをするのがオススメです

 

文章を書くのはやはりキーボードでしょう

スマホフリック入力は短い文章を書くには問題ないのですが、2000字も書くにはとても使えません

慣れていれば音声入力でもいいのですが、頭の中にあることをコトバにするのは文字にするよりも実は大変です

 

現状でもビジネスシーンは PC、マウス、キーボードが基本で、スマホタブレットは出先や対面時に使用するガジェットです

いま学生の方が社会に出るときに時代がどうなっているかは不明ですが、現段階ではキーボード入力はとりあえず身につけておいて損は無さそうです

 

キーボードが使えない人は「キーボード 練習 アプリ」などで検索してテキトーなタイピング練習アプリで30分ほどカタカタしましょう

それで基礎を身につければ、あとはやりながら上達していきます

 

キーボードを持ってない人は Amazon などで購入すればいいですし「読書感想文を書くために使う」といえば保護者の方に買ってもらえるんじゃないかな?

 

その際はブルートゥース接続できるのがよさそうですね

こんなのなら場所を選ばずに持ち運びできそうです

 

 

スマホの画面でも作業は出来そうですが、できるだけ画面の大きなタブレットや PC が向いていると思います

家族のモノを借りてもいいのですが、その場合はメモリーを自分用に購入してそれに保存するようにしましょう

「仕上がるまでは誰の目にも触れない」ようにしたほうが、人目を気にせずにより「思うように書く」ことができるはずです

 

もしくはこのブログのように「はてなブログ」でアカウントを作成して書くのもおすすめです

なんせ文字数を自動で数えてくれますからね、チョーベンリー

 

キータッチで入力してそれを目で確認しながら「書き手」と「読み手」の2つの視点で文章を進めてきましょう!

 

読みたい本、読み進めやすい本を選ぶ

 

課題図書がある場合とない場合があると思います

 

ある場合は、まずは地元の本屋さんに行って課題図書を手に取ってください

「課題図書コーナー」などが作られてることが多いのでネット検索より行ったほうが速いです

最寄りの書店に電話するなりサイトをチェックするなりして、それがあるかどうかを確認してくださいね

 

そして実際に来店し、それぞれを手にとって5ページづつ順番に読んでいきます

それぐらい読めばその本が「先が気になる内容か?」「読みやすい文体か?」がわかります

 

もっと言うなら、5ページ読むつもりが「気づけば10ページ読んでいた・・」なんてのが自分にとって最適の本になります

 

課題図書は命や障害に関することなど「興味が無いと読む気になれない」重いテーマの本もよくあります

その中でできるだけ興味がありそうなのを選ぶのはモチロンですが、文体も大きなポイントです

 

ぼくは、内容がどれだけ素晴らしくても文体が自分に合わないと読み進めることができません

文章が難しかったり表現が回りくどいものが本当に苦手で、読んでて眠くなってしまうんですよねー

「読む力」が強い人なら何でもいいのですが、ぼくのように弱い人は「読みやすい文体」の本を選ばないと地獄ですよ

 

課題図書がない場合は基本的に何でもいいと思うのですが「いま最も興味があること」にするほうがいいでしょう、そのほうが楽しく読めます

「いま流行っている本」は誰もが選ぶ可能性が高く、それを選ぶことで読み手に「またこれか・・」という先入観を持たれてしまいます

それを覆すだけの面白い感想文が書けるのならいいのですが、それができるならそもそもこのブログを読んでないですよね

 

頭一つ抜け出るためには選ぶ本にも「独自の視点」が必要なんです

 

オススメなのは有川浩さんの「レインツリーの国」です

もし興味がある方は「何の検索もせず」に真っ白な状態で読んでくださいねー

 

読んだら一日じっくり考える

 

選んだ本にもよりますが、集中して読めば一日かからずに読み終えることができるはずです(100ページあたり1時間ぐらいが目安です)

読みながら「感動したこと」「共感できないこと」「気になったこと」などが出てきたら手書きでメモをします、「P52 ○○のコトバ カンドー」って感じです

ポストイットをつけてもいいのですが、じつは案外接着力が弱いものがあり、本を落とすとバラバラと剥がれてしまったりします

その数が膨大になってきたぐらいでそんなことになる、完全にやる気を失ってしまいますので、ページ数だけメモっておいてあとから内容を書き出すほうがいいと思います

 

読みえ終えたら内容を覚えているうちに感想文を書きたくなりますが、そのまま書くと「誰もが書くありきたりな内容」になる可能性が非常に高く危険です

そんな薄っぺらい内容では書き手を唸らせることができませんので、その日~翌日ぐらいの時間をかけて下記のことをじっくり考えましょう

集中して考えるのに疲れたら休憩して、ご飯を食べながら、スマホを触りながらもバックグラウンドでずっと考えてる状態にすると自然に思考が深まっていくはずです

 

何を考えるのか?

 

「じっくり考える」と言われても何を考えればいいのかわからないから感想文が苦手なんですよね

ここからは誰もが知っている「浦島太郎」を例にとって具体的に解説していきます

 

まずは頭の中であらすじを思い出し、最初から順を追って「簡潔にまとめて」文章に書いてください

そうすることで内容を要約して理解することができます

 

浦島太郎なら

 

子供たちにイジメられていた亀を助けたらお礼に龍宮城に連れて行ってもらい、そこで乙姫様から接待を受け数日過ごした後、元いた場所に戻ると長い年月が経過しており、知り合いが誰もいないことに絶望し「開けてならない」といわれていた玉手箱を開けておじいさんになってしまう

 

という内容ですね

 

こんな風にあらすじを「カンタンに」書いてみてください

 

やればわかりますが、ここでまずツマヅクはずです

数百ページの内容を3~4行で説明するには、要点を抑えて簡潔にまとめる必要があります

これがなかなか難しくつい長々と書いてしまいがちですが、それはまだ物語の本質が掴めていないからです

 

逆に言うと、これができれば内容を要約して「重要なことはなにか?」が理解できているので、それで感想文を書く土台の完成です

この土台ができていないまま書き始めるとすぐに行き詰まってしまうので、ここは時間をかけてジックリと頭にあるモヤモヤしたものを文字にしましょう

 

感じたことを箇条書きにする

 

要約が済んだら「気になってメモ書きした」部分の内容を箇条書きにします

メモ書きしてなくても疑問に思うことはドンドン書き出しましょう

 

浦島太郎ならこんな感じですね

 

・そもそも子供たちはなぜカメをイジメていたのか?

・浦島太郎はなぜそれを助けたのか、自分なら見過ごすかも

・明らかに怪しいカメの誘い乗ったのはなぜ?自分ならもっと警戒すると思う

・なぜ乙姫様は「地上と時間の進み方が違うこと」を伝えなかったのか?

・なぜ玉手箱を渡したのか?恩を仇で返しているように思う

・浦島太郎はいいことをしたのに報われなかったように感じる

・浦島太郎は1人で生きていくことができなかったのか?

・そもそもこの話ってなんの教訓?

 

こんな風に思いつくままドンドン書いてください

これは手書きでもいいですしテキスト形式のメモ機能を使うのもいいと思います、とにかく書けるだけ書いてください

 

それぞれを掘り下げて考えてみる

 

箇条書きにした項目のそれぞれを深く掘り下げて考えてみます

と言ってもわかりにくいので上記の箇条書きを元に具体的に書きますね

 

・子供たちはなぜカメをイジメていたのか

 

単に子供の残酷な遊びなのですが、自分たちとは異なる種を排除するという人間の冷たい習性によるものかもしれません

これは人種や思想による「差別」に通じることなので「どうすればなくなるか?」を考えるのは大きな意義があると思います

 

・浦島太郎はなぜそれを助けたのか

 

自分も子供の頃にはカナブンにヒモを括り付けてオモチャにしたり、虫カゴに虫を入れたまま死なせてしまったり、同じような残酷なことをしていたはずです

それなのに対象がカメになっただけで正義感を振りかざすのはなぜなのか?

もしかすると単にいい人というだけでなく、「小さな正義感を振りかざすこと」をしないと心のバランスが取れないほど日々の生活がツマラナイのかもしれません

 

・明らかに怪しいカメの誘い乗ったのはなぜ?

 

カメに乗って海に出るのはフツーに考えればかなり危険な行為です

実社会で「向こうに楽園がある、ついてこいよ」なんて言われて信じる人なんていません

そんなリスキーな誘いに何の疑いもなくホイホイのってしまったのは何故なんでしょう?

おそらく「いいことをした」ことに対する「対価」と受け取り、いいことをした自分は「いい目を見る権利」があるように考えたんでしょう

先日ボランティアについて書きましたが、人は「いいこと」をすると少し傲慢になるんです

rikutukoneo.hatenablog.com

浦島太郎も同じような心理状態だったのかもしれません

 

 

こんな風に「箇条書きで書きだしたこと」を掘り下げて考えていき、それをまた文章に書きだします

そうすることで自分が「何を感じたのか」「何に引っかかったのか」がクリアになるんです

 

核になるテーマを決める

 

そうやって書き出した内容の全体を見渡して、どれを感想文のテーマにするのかを決めます

どれが最も書きやすそうか?どれが一番広がりそうか?など決め手はいろいろあると思いますが、できるだけオモシロクなりそうな切り口を選ぶほうがいいでしょう

 

すぐに思いついた感想よりも後からひねり出した疑問のほうが案外おもしろかったりするので、並んだ箇条書きの下のほうから選ぶのがよさそうですね

上記の浦島太郎なら「なぜ玉手箱を渡したのか?」なんてのがおもしろそうです

 

そしてテーマに選んだ事柄に対してじっくりじっくり考えます

こんな感じです

 

玉手箱を渡す以前に「地上ではすでに何十年も時が過ぎています」と伝えるのがフツーだと思う

 

それを黙ったまま地上に送り返し、絶望の中で箱を開けると本来の年齢まで歳をとらせるなんて、どう考えてもマトモなやり方とは思えない

 

渡されたコーラを飲み干したら「実は毒が入ってる」と言われるようなもんだ

 

そうやって本来の年齢になっても、それで家族や知り合いに出会えるわけじゃないし、ただ年寄りになって体力がなくなり思考が鈍くなり、寿命が近づいただけ

 

それなら若い状態のまま別の土地に行き、そこで新たな人生を生きるほうがどう考えても有意義なはず

 

なぜその権利を奪うのか?

 

現実を知ったらパニックになるのは当然で、その原因となった龍宮城にアクセスできないのなら、誰もが手に持っている玉手箱を開けるはず

 

ちょっと考えればわかることなのに「開けてはならない」のなら渡すなよ!と誰もが感じると思う

 

こういった感じでいろいろな角度から考察すると、文章がドンドン展開していきます

テーマにした項目に関しては「何を聞かれても自分なりの意見が言える」状態までしっかり考えるようにしてください

そうすれば原稿用紙の5枚や6枚ぐらいあっという間に埋まるはずです

 

※自分なりの意見は「正しいか間違ってるか」は問題ではありません、キチンと言葉にできることが大事なんです

 

もしそれでも文字数が足りなければ、他の項目を追加してもいいと思いますが、項目が多すぎると「んで、何が言いたいの?」となりがちなので、できるだけ書く内容を絞り、それについて深く考察したほうがより面白い感想文になるはずです

 

具体的な書き方

 

書き出しは何でもいいのですが、冒頭にテーマから書き出すほうが読み手はその後の内容を理解しやすいです

 

浦島太郎を例に取ると

 

浦島太郎を読んで感じた最大の疑問は「なぜ玉手箱を渡したのか?」ということです

この点について順番に考えていきたいと思います

 

①時間の流れをなぜ説明しなかったのか?

 

まず玉手箱うんぬん以前に、どうして乙姫様は浦島太郎に時間のことを話さなかったのでしょうか?

地上と時間の流れ方が違うことは・・・

 

②玉手箱にはどんな意味があったのか?

 

玉手箱を開けると地上の時間の流れの通りの年齢になるのですが、それは何のためなのでしょうか?

おじいさんになったところで家族が戻ってくるわけでもなく・・・

 

③玉手箱を開けなかったとしたらどうなったのか?

 

物語では玉手箱を開けておじいさんになってしまいましたが、もし開けずにいたらどうなっていたのかを考えます

これは想像の域を出ないのですが、それはそれなりに楽しく暮らせたんじゃないかと思います

というのも、この時代に何のシガラミもなく暮らせるというのは・・

 

という感じで大きな疑問にアプローチするために、細分化した小さな疑問を一つづつ考察していきます

もちろんそれぞれを独立して考えるのではなく大きな疑問に対する自分なりの答えを事前に用意しておき、各章でそれを検証していく形を取ります

 

長い文章が何章かに分かれていると、読む方も頭が整理できてサクサク読み進めることができます

それによって書いている内容が伝わりやすくなりますし、読んでて眠くなるのを防ぐこともできます

 

もう少し簡潔に書くと、大きな疑問の「X」に対する答えの「Y」を用意しておき

 

「最大の疑問は X である」

「なぜなら①こうだから②こうだから③こうだから」

「つまり X の答えは Y だと思う」

 

という感じです

 

細かい疑問はできれば3~5個ぐらいに絞るほうがわかりやすいと思います

もしその疑問が10個もある場合はまだ頭の中で整理しきれていないので、いったん書く手を止めてじっくり練り直すのがいいでしょう

 

最後に

 

こういった文章を書くと「自分が文章を書くのが好きかどうか」がハッキリとわかります

「上手く書けないからキライ」というレベルではなく、ある程度のレベルで書けるようになった上で「スキか?キライか?」を判断することができるんです

 

好きじゃないことがわかった場合は、この書き方をテンプレートとして保存しておくことをオススメします

大人になってビジネス文書を書く際には、上記の「テーマ」を「結論」に置き換えて書くことになります

「XはYである、その理由は①こうだから②こうだから・・」といった感じで、結論から先に述べるのがビジネス文書なんです

文章を書くのが苦手でもどうしても避けられないシーンも多々あり、それに対応する最低限の文章スキルは必ず身につけておくべきですね

 

書くのが好きだとわかった場合は、もう書きたいだけ書いてください

ブログを始めてもいいですし、読んだ本や観た映画を片っ端からレビューしてもいいと思います

それが将来どんな風に人生に影響していくのかはわかりませんが、悪い風になるのはちょっと想像がつきません

思うようにコトバにできるスキルは人生のあらゆるシーンで役に立つはずです

どれだけ書いても迷惑になることもありませんから、ドンドン文章を吐き出して頭をクリアにしてくださいね

 

いかがでしたか?

ここまで読んでいただいた方、本当にありがとうございます

 

途中で気づいたと思いますが、大事なのは「考えること」でそれさえできれば「書くこと」はカンタンにできるんです

 このブログはこの時点で7700字を超えていますので、400字詰めの原稿用紙なら19枚以上です

 

ね? 原稿用紙5~10枚ぐらい大したことないと思いませんか?

 

ぜひ「読書感想文」を書くことで「思いを言葉にする」スキルを身につけてください

脳内にあるモノを思うように表現できるようになると人生楽しいですよ

 

ではでは