音楽とか、考え事とか

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日々考えたことを書いています。

ちきりんさんの「多眼思考」は本が読めない人におすすめの1冊

 ずいぶん前に初読みした本なのですが・・

 

①内容が深いのに対象となる年齢や能力レベルが異常に広い

②ほかの著書より著者の思考がよりストレートに伝わる

 

順番に考えていきましょう

 

まず①ですが

 

書かれているのは「世の中の本質的なこと」なので、ものすごく内容が深いです

それなのに(ツイッターのつぶやきをまとめた本なので)それぞれの文章が非常に短くガンガン読み進めることができます

 

「活字を見ると眠くなる」ような人にはうってつけで、文字よりも空白のほうが多く「文字数が多いこと」で挫折することはまずありません

まだ難しい本が読めない子供でもきっと、ストレスなく読み進めることができるんじゃないかな?

それぐらい読み手の年齢を問わない本になっています

 

そして内容がとにかく濃い。

 

世の中の本質をつかむための本として異常なほど生産性が高く、読めばわかりますがその労力対効果は相当なものです

少ない文字数で驚くほど深い内容になっているので読み手の「文字を読む能力」もあまり問わないんです

 

そもそも、ここまで文字数の少ない本だと読めなかった時の言い訳が立ちません

 

本が読めない人がよくいうのは

 

・文字を読んでると眠くなる

・字が多いと面倒になる

 

という言い訳です

 

でもどちらも当てはまらないほど簡潔な文章で書かれています

 

そもそもこういった言い訳をする人って、想像力の乏しいんだと思います

文字を読むことで頭の中にその世界を創り上げることができず、そのせいで没頭することができないので途中で退屈になり挫折してしまうんでしょう

 

その本が物語なら

 

その世界観や登場人物を想像し、感情移入し、映画を観るような感覚で読み進めるものですが、乏しい想像力のせいで脳内イメージが確立できず「その世界」に入っていけないんじゃないかな

 

ビジネス書なら

 

書かれている内容が難しすぎるか、そもそも大した興味もないのに「話題だから」「アイツも読んでるから」などという世間体を気にして読んでみただけなのかもしれません

これも「自身の好みを把握する」という作業をめんどくさがることで損失する「人生の幸福度」が想像できていないんです

 

あれこれ言い訳を口にできないほど読みやすい本なので、もし読めなかったとしたらそれは自身の理解力の低さを認めるしかありません

 

ならどうするか?

「読んだけどイマイチだった」なんて言いそうですね

 

小中学生がそういっているのなら「来年もう一度読んでみたら?全く違う感想になるかもよ」とアドバイスすることもできますが、オトナがそんなこといってるとちょっとヤバイ。

書かれていることは「本質」なので好き嫌いで判断することではありません

「言葉のチョイスや言い方が気に入らない」ということはあるかもしれませんが、内容に関しては好き嫌いではなく「気づいているかどうか」という問題です

内容が理解できなかったとしたらそれは自身の読解力の問題なのに、その原因を「書き方」のせいにするのはやめたほうがいいんじゃないかな

 

まあ、それぞれの自由ですけど。

 

そしてこの本は文字数が少ないのに読むのにめちゃくちゃ時間がかかります

読んでいる内容に対して思考が回りだしてしまいページをめくる手が止まってしまうんです

文字を目で読んでいるつもりがいつの間にか頭の中に意識が入り込んでしまいアレコレ考え事を始めてしまいます

数分後にハッと気づいてまた読み始めるんですがしばらくするとまた同じことの繰り返し・・

 

そうやって思考をガンガン刺激してくれるんですが、おそらくこういうのが「本当にいい本」なんだと思います

 

何も考えずにスイスイ読めば1時間もかからずに読める文字数なのですが読み切るのに3時間ぐらいかかりました

そして今も時々読み返して新たな発見をしています

 

そういう意味では電子書籍で手に入れるのが最適じゃないかな?

 

紙の本は紙の本で「文字の書き方」や「空白の使い方」で電子書籍とはまた違った楽しみ方ができるのですが、ちょっとした空き時間に読むなら常にカバンに入れておく必要があります

 

それは邪魔だし嫌だ。

 

まあ著者としては両方購入してもらって「家では紙の本」「出先では電子書籍」が最適なんでしょう

 

まとめると「多眼思考」は読みやすいのに異常に生産性が高く、思考をガンガン刺激してくれる良書ということになります

 

 

つぎに②ですが

 

「つぶやき」をそのまま掲載しているため文章がものすごく直接的で、目の前で話しかけてくれているように心に響きます

本を書いたことがないのでわかりませんがブログを書く際にも感情のままに文章を書くと後で必ず修正が必要になります

ある程度書いた文章を読み返すと強調したい言葉を何度も繰り返していたり、もったいぶった言い回しだったり、書く順序が逆だったりすることが多々あるんです(ぼくだけかな?)

 

だからそれを修正して「より伝わりやすく」するんですが、そうやって修正した文章は最初書いたものよりも明らかに熱量が低くなります

読みやすくすることで「キレイな文章」にはなるんですが、感情のままに書きなぐったような「乱雑な文章」のほうが書き手の興奮が伝わってくる、ということなんでしょう

 

だから他の「ちきりん著書」よりこの「多眼思考」のほうが心に響くんだと思う

そうやってより直接的に「著者の思考」に触れているような気になり読み進めるうちにだんだん興奮してきます

それぐらい話し言葉には力があるってことなんでしょう

 

生産性が高く、思考を刺激し、読んでいると興奮する良書・・

 

オススメの1冊です

 

ではでは