音楽とか、考え事とか

音楽とか、考え事とか

日々考えたことを書いています。

転売を法律で禁止するなんて、ムリでしょ

転売そのものを法的に禁止することはまずムリです

 

だってそんなことするとオークションなんて成り立たなくなる

不用品を転売するのがリサイクルですよね

 

なら中古品は仕方ないにしても新品の転売を禁止すればどうでしょうか?

 

これもムリですね

先日も書きましたが小売業自体が転売そのものだからです

 

安く仕入れたものに利益を乗せて転売するのが小売業ですので、これを禁止すると商売そのものが制限されてしまいます

 

業者から仕入れたものは転売OKで販売店で購入したものは転売禁止、ってのもムリですね

今は卸業者がアマゾンで販売している時代です

 

転売者が個人か?法人か?で分けるのもムリ

個人事業主がありますし「法人でないとダメ」なんて時代錯誤もいいとこです

 

だから「営利目的の転売は禁止」という言い方になるんですけど

 

この「営利目的」ってのもあいまいで使い物になりませんよね、いったいどうやって「営利目的かどうか?」を証明するつもりなんでしょうか

 

例えば

 

Aさんはチケットを定価+500円で1枚転売して500円の利益を出しました

Bさんはチケットを定価+1万円で4枚転売して4万円の利益を出しました

 

これだけ見るとBさんのほうが「許せない!」ってなりますね

 

でも実は

 

Aさんは最初から一人で行くつもりだったのに、転売した利益を交通費やグッズ購入費に充てるため先行予約で2枚予約し、余った1枚を転売したけど案外需要が少なくあまり利益を出せませんでした

 

Bさんは家族4人で行くためにチケットを4枚取ったのですが、父親が緊急入院し手術日と公演日が重なってしまい泣く泣く転売をしました

父親は「大丈夫だから」といいますが家族3人はとてもそんな気持ちにはなれません

万が一の際に間に合わないと一生後悔するので全員で話し合って決めたことです

 

ということならどうですか?

 

こうなってくると許せないのはAさんのほうですよね

Aさんこそ営利目的の転売です

 

でもAさんの思惑なんて他人にはわかりません

「友達が急に行けなくなった」と言われればそれまでです

 

周りには思惑や事情は見えず「儲かった金額」という結果だけが残るため。そこだけ見るとBさんのほうが営利目的の転売に見えてしまいます

 

そして、大事なのはやはり「儲けた金額」なんですよね

 

500円しか儲からなければ「そんな金額のためにアレコレ労力を使ってバカじゃないの?」とはなりますが、それで「許せない!」とまではあまりならないと思います

 

でも4万円も儲かっていると「営利目的の転売だ!許せない!!」となりそうじゃないですか?

 

それを回避するためには、Bさんはオークションサイトに「手術日」や「入院証明書の画像」に加えていつも家族で参加していることを証明するような画像などを掲載するのでしょうか?

 

どう考えてもバカげていますよね

そんなことのために個人情報をさらすなんて考えられません

 

「なら、定価で終了するように出品しろよ」という声もあるかもしれませんが

家族の稼ぎ手が入院して少しでもお金が必要な時にそんなことできますか?

 

営利目的で購入したわけじゃないけれど、少しでも高く売れて医療費や生活費の足しにしたい・・

そう考えるのが自然だと思います

 

こうやって考えると、許せないのは転売行為そのものではなく金額であることがわかってきますね

 

そもそも転売チケットには需要があります

需要と供給があるから転売市場が存在するんです

 

問題なのはその市場が大きくなりすぎていることであり、転売行為そのもではないんです

ここを間違えると議論が上滑りしてしまいます

 

その昔は個人が転売するには手間とリスクが大きすぎたので、転売行為があるにはあっても大した数ではなかったはずです

 

その頃は黙認されてきたってことです

 

それがネットの普及やSNSによって簡単に転売できるようになり、それによって転売の数や金額が多くなりすぎたから大騒ぎしているんですね

 

黙認していたころにも10万乗せでチケットを買っている人がいたかもしれませんが、その数が少ないと業界って相手にしないんです

 

それが急激に数が増えたからって「リスナーを守るため」「業界の衰退につながる」なんてキレイな言葉でヤイヤイ言い出すのは、なんだかおかしな気がします

 

「それよりもっとやることがあるでしょ?」って思っちゃうんですよねー

 

最近は電子チケットで電話番号と紐づけることで転売を防ぐ手立てがとられています

んが、これも格安音声SIMを使えば一回線1200円弱ですので20回線契約すれば抽選予約の倍率が20倍になります

 

その回線費が月々24000円かかるとしても毎月コンスタントに転売をしてけば、充分に利益の出せる金額だと思います

 

転売した相手にSIMカードを送り、それをスマホに入れて入場してもらい、後日送り返してもらえばいいんです

最悪戻ってこなかったとしても今は2年縛りなどがないものもありますので、そのまま解約してまた新たに契約しなおせばいい

僕がちょっと考えただけでもこの程度の抜け道を思いつくんですから、プロの転売屋さんなら他にもいろいろ手を打ってそうです

 

本人確認をもっと厳格にすれば一定の効果はあると思いますが、必ず誰かが抜け道を見つけることになるでしょう

そもそも転売をゼロにすることなんてムリなんですよ

それよりも「かつて黙認していたころの規模」に戻ればそれでいいんじゃないかな

 

アレコレ防止策を考えるよりも転売では大した儲けが出ないようにすれば、おのずと数は減っていくはずです

前にも書きましたが、まずは一人一枚しかオーダーできないようにするのが手っ取り早い

 

それで上記のAさんのような人をなくすことができ、転売市場はグッと小さくなるでしょう

まずそれをしてから、その次にプロの転売屋対策をする流れがよさそうです

 

一人一枚にすることで一時的に販売数が減るかもしれませんが、一人で参加できる人を増やしていかないと、どのみちジリ貧です

 

ユーザーを子ども扱いするのはそろそろやめませんか?

甘やかすことで自分たちも甘えてるんだと自覚しましょう

 

まずはそこからだと思います

 

ではでは