音楽とか、考え事とか

音楽とか、考え事とか

日々考えたことを書いています。

アラフォーでなにか新しいことを始める際に心得ておくべきこと

ルーティンワークで毎日に刺激がなかったり・・

プライベートにおいて時間的、金銭的な余裕があったり・・

新たなスキルを身につけたかったり・・

 

◯◯教室とか語学学習などの習い事を始めることってありますよね

 スポーツジムとかもそうかな

 

それが20代~30代前半なら思い切って飛び込めばいいんだけど、もしアラフォーで新しい何かを始めるなら肝に銘じておかないといけなことがあるんです

 

それは「自分で思っているより、とんでもなく衰えている」ってこと

 

何が衰えているのか?って言うと「何もかもすべて」なんですが、特に記憶力や順応性なんかが格段に衰えています

 

例えばそれが「英会話」なら新しい単語が全然アタマに入ってきません

一旦は記憶するんだけど、次の日になると半分以上忘れています

 

「past ってなんだっけ?昨日覚えたはずなのに、ええと・・・」なんてことの繰り返しで、単語帳で一夜漬けをしていた学生時代が嘘のように、記憶袋に穴が開いたようにカンタンに忘れてしまいます

 

 例えばそれが体を使う「武道」なんかだと新しい動きに全く身体がついていきません

 

過去に経験があればそうでもないのでしょうけど「体育で柔道をやったことがある」程度なら、かなりの覚悟が必要になります

 

例えばこんな感じ

 

Aさん(男性)は40歳で合気道をはじめました

それまで武道など全くかじったこともなく体育の授業で柔道をやったぐらいです

 

でも昔から武道に対して憧れのようなものがあり、色々調べていくうちに「よし、合気道にしよう!」と軽く決めてしまいます

そして見学に行ってみるとやはり「楽しそう!」となり即入会、次の週から稽古が始まりました

 

道着を着て「合気道の型」を練習することがなにか非日常的でワクワクし、Aさんは週2回の稽古に喜々として通いました

先輩方も優しく教えてくれるし和気あいあいとした雰囲気も楽しく、毎日の生活にもハリを感じるようになり「最近なんだか楽しそうね」なんて家族に言われるほどです

 

と、ここまでは「楽しい習い事の日々」って感じでしょ?

でもね、しばらくすると微妙に変化が訪れます

 

合気道の稽古って関節を決める「型」の練習の繰り返しなのですが、同じことをずっとやってると関節を痛めてしまうので1つの「型」の練習に割く時間はせいぜい3分ぐらいです

3分経つとまた別の「型」の練習に移り、短いサイクルでどんどん違うことを練習していきます

 

これが初心者のAさんにはなかなか覚えることが出来ません

 

はじめて教えてもらうときは「こうですか?こうですか?」なんて聞きながら悪戦苦闘、先輩からも「最初はみんな出来ないんですよ」なんて優しい言葉をかけてもらって「これ難しいッスよね」なんて言いながら指導してもらうんですが

 

初心者が教えてもらえる「型」なんて数がしれてるので、しばらくするとまた「同じ型」の練習が回ってきます

だからといってそ、そうそうすぐには出来るようにはなりません

 

2回目も全く出来なくて、3回目は少しできるようになったけど、4回目の頃にはすっかり忘れててまた一から指導してもらい・・・

 

順番が回ってくると同じことの繰り返しになるのでドンドン覚えていきそうに思いますが、そこは衰えの進んだアラフォーです

一度の練習時間が短すぎて動きが身体に染み込んでいかないんです

 

何度教えてもらってきちんと覚えることが出来ない・・

手の動きなんか正反対のことをしてしまうこともある・・

 

「あれ?こうでしたっけ?あれ?あれ?」といった感じで、焦って時間だけが過ぎて行く日もあったり・・

 

先輩方は根気よく優しく指導してくれますけど、その「優しさ」がかえって精神的な負担になり、自分自身がいたたまれなくなってしまう日々が続きます

 

最初は元気に稽古に来て汗を流し笑顔で帰っていたAさんも気を落として帰る日が増えるようになりました

自分よりも後に入会した若者がどんどん上達していくことも焦りに拍車をかけます

 

時にはその後輩にまで指導をしてもらう始末です

 

「こんなに丁寧に指導してくれてるのに僕はどうして出来ないんだろう?」

「やっぱりこんな年でまったく新しいことを始めるのは無理があったんだろうか・・・」

 

そんな気持ちが頭を支配するようになってしまい、最近は稽古の日になると朝から気分が冴えません

そしてついに、さほど重要でもない仕事を理由に欠席の連絡を入れてしまいました

 

ズル休みをしてしまったことへの罪悪感はあったものの、その時の安堵感はAさんを心地よくさせてしまいます

 

「もうあんな惨めな思いをしなくてもいい」

 

そしてその次の稽古も欠席の連絡を入れ、また次の稽古も・・・

いつしか連絡することさえしなくなりAさんはそのまま無断でフェードアウトしてしまいました

 

今でもキチンと退会の挨拶に行くべきだったと後悔しています・・

 

みたいな感じですね

 

Aさんはやはり向いてなかったのでしょうか?

問題は向き不向きだけではないと僕は考えています

 

Aさんに足りなかったのは「適性」ではなく「覚悟」です

 

「若いころと違って物覚えが悪くなっている」

「新しいことをなかなか覚えることが出来ないだろう」

「後から入った若者にも抜かれるかもしれない」

「惨めな思いもするだろうけど能力が衰えているんだから仕方ない」

「せめて低姿勢で謙虚な気持ちで一生懸命稽古に励もう」

「出来ないことは出来るようなるまで練習しよう」

 

という覚悟です

 

これがなかったためにプライドの傷つきに耐えられなかったんですね

 

ちなみにさっきからずっと「先輩」と書いてますが、実はその先輩は一回り以上年下のハタチだったりします

 同世代がいても合気道歴10年だったり、時には高校生の女の子に指導してもらうこともあります

 

もちろん女子高生も丁寧に指導してくれます

でも「何度やっても出来ない」ということが若者にはなかなか理解できません

 

「そんなに難しい動きじゃないのになんで出来ないの?」

なんて気持ちがふと表情に出てしまうのは仕方ないと思うんです

 

「自分の娘ぐらいの歳の女の子に同情の目で見られている自分」

その状況にプライドがポッキリ折れてしまうんですね

 

たぶん語学学習でも同じでしょう

あれだけ挫折する人がいるのは単に「面倒だから」だけではないはずです

 

なにか新しいことを始めるときは自分の能力をキチンと分析して、自分で思っているよりも衰えているということをシッカリと自覚することが大事です

 

「覚えられなくて当たり前、開き直ってやる」ぐらいの気持ちでやらないと無駄に挫折感を味わうハメになってしまいます

 

 

なにか始めようと考えているアラフォーは肝に銘じておきましょう

 

ではでは