相変わらず大半のライブでは「できるだけ前で観ること」に価値を見出している人が多いように感じます
大きな会場や全席指定では観る場所が抽選になりがちですが、自由に動けるライブハウスでは前に行くほど混雑しており、最前にいかない人であっても「混むからイヤ」というのが理由で「純粋に後ろで観たい」わけではない人が多いように感じるんです
この「できるだけ前で観たい!」という気持ちは、ライブなど「生で観る」エンタメでは、今のところ絶対的な価値観ですよね
もしくは、もう少し音楽通になってくると「できるだけ音のいい場所で観たい」という欲求があり、そういう人はド真ん中かPA前あたりで観ることが多いようです
この人達にアプローチし、その価値にフォーカスしているのが、ここ最近のサカナクションの大きな会場でのライブですね(幕張メッセ、大阪城ホールなど)
これについては以前に書いています
最も音響のいい場所のチケット代金を高くして、「音のいいエリアがサイコーの場所」という価値を提案しています
サカナファンもそれは理解しており、1万円を超えるプラチナムチケットは予約が殺到し、ファンクラブの年会員でもなかなか取れない、文字通りプラチナチケットと化しています
もうすぐ始まるツアーではすべての会場でサラウンドライブをするので、おそらく今回も同じようなチケット価格の設定になるんでしょうね
でもそろそろ次に進んでほしいな、と勝手に思っています。
ぼくは関西在住なので大阪城ホールのブロック指定で考えていきますが、上記の価格設定では「できるだけいい音で観る」という価値の提案、それ以外には「アリーナか?スタンド席か?」ぐらいしか選べません
でも、アリーナ真ん中エリアの前のほうと後ろのほうでは、ライブの観え方は全く違いますし(映画館で考えるとわかりやすい)、スタンド席であっても「前列か?後列か?」「U字型のド真ん中か?サイドのステージに近くか?」によってその価値に大きな差があるはずです
現状ではこれらを自由に選ぶことができないんですね。
そこでもう一歩踏み込んでほしいのは、これらもそれぞれ区切ることでブロック割を戦略的に細分化し、最終的には好きなブロックを指定してチケット購入ができるようにしてほしい
そして、それぞれのブロックにそれぞれ違った価値をもたせて欲しいんです
現状ではアリーナ最後方はステージまでが遠く「ライブに没入!」よりも全体を俯瞰して「観る」感覚になってしまいます
ステージ上のメンバーの表情や細かい動きも遠すぎて裸眼ではわからないので、大型モニターで確認することになります
だから後方エリアはどうしてもステージの熱量が(他の場所に比べると)伝わりづらく、集中力の低い観客が発生するんですね
ライブ中なのに同行者とひそひそ喋っていたり、出たり入ったりする人、スマホを起動させる人すらいる始末です
この場所が例えば2000円ぐらいなら、そういう熱量の低いエリアであっても「安価で観る」ということである程度納得できますが、実際はそうはなっていません
あくまで「抽選におけるハズレのエリア」なんです。
大きな会場では細かくブロックを指定して購入できないんだから、それならこういった場所にも価格に見合うだけの価値が欲しい
例えば「後方でないと全体像がつかめない演出」などですね
ステージに映像を投影するのはよくある手法ですが、それを会場の側面の壁にも映したらどうかな?
チームラボのデジタルアート展で壁全体に映像を映しているのをよく見ますので、不可能ではないはずです
そうすれば最後方エリアの価値を高めることができると思うんです。
最前にいると把握できない演出になるし、ド真ん中だと没入感はあっても全体がどうなっているのか掴めません
そうすることで好んで最後方に行きたがる人が出てくると思うんですよねー
今でもレーザーを膜のようにして1階アリーナと2階スタンド席の間に照射すると、上からと下からではその見え方が全く違います
だから僕はいつも、2DAYSだと両日チケットをゲットし、それぞれの場所で観るようにしています
そんな風に「一日目はど真ん中で、二日目は最後方で」という行動が自然に起こりそうな、そんな演出にしてほしい。
アリーナサイド部分もまた別の価値を持たせられないかな
例えば中央エリアとサイドエリアを区切る通路にレーザーの膜ができて、サイドエリアはその膜越しにステージを観ることで、生で観るのとはまた違う楽しみ方ができる
なんてどうでしょ?
あくまで素人意見なので実現可能かどうかは知りませんが、こうやって考えることはムダではないはずです
二階席もそうですね、前のほうと後ろのほうで別の価値を持たせてほしい
スタンド最後部にスピーカーを敷き詰めて、後ろに行けば行くほど背中からの音圧を感じたり、ボーカルや楽器の音がすぐ後ろで鳴っているように感じることができる・・
なんてのもよさそうです。
こんな風に各エリアにそれぞれ違った価値を持たせることができて、それを自由に選んで購入(実際は先行予約の申し込みですが)できるようにすれば、ファンも真剣に考えて観る場所を選ぶと思うんです
「ああーー悩むーーー、一日目はアリーナど真ん中で第二希望はアリーナ後方エリア・・、ああでも!サイド部分も捨てがたい・・、二日目はスタンド後方エリアかな・・うーーむ」
なんてのは幸せな悩みだと思うんです。
それによってリピーターを多くすることもできるし、ファンクラブの入会者も増やせそうなので、その上で「年会員プレミアム」なんてのを作ってさらに儲けてもよさそうです
以前に書いたサカナ株の発行なども面白そうですね
そうやってクリエイトとビジネスと上手く回していって、しっかり儲けてほしいと思います
「グッズの収益がバンドの生命線」という流れをどうにかしてほしい!
ではでは