音楽とか、考え事とか

音楽とか、考え事とか

日々考えたことを書いています。

忙しいお店ほど計算されている

先日、行列の絶えないお店に少しだけ並んでラーメンを食べてきたのですが、味の旨さはモチロンのこと、客回転を上げるための様々な工夫がすごく興味深かったので、備忘録的にちょっと書いておきます

 

東京の八重洲から徒歩15分の「喜多方ラーメン」のお店なのですが、行列ができるだけあって味はバツグンに旨かったですねー

ガラス張りになったカウンターの一角で、お客のすぐ目の前で麺を手打ちしており、それがそのまま注文したラーメンに投入されるんです

「手打ち」が客寄せのパフォーマンスではなく「いま打ったばかりの麺を食べられる」システムで、打ち上がった麺はすぐさま茹で始めて3~4杯分づつぐらいかな?ドンドン麺が茹で上がっていきます

 

とはいえやはり「その場で手打ち」ですから、どうしたって時間はかかってしまいます

そのためどうしても待ち時間ができ、それが行列につながっているようですが、そんなこと全く気にならないぐらい美味しい麺でした

 

しかも、その手打ちのお兄さんも含めてスタッフ全員の動きにムダがなく「これ以上回転をあげられない」のが見ていて伝わってきます

「待つこと」にキチンとした合理性があればイライラする事もなく、気持ちよく待つことができるんですねー

 

そして激ウマ。

 

他の味も試してみたくなったので、また行くことになりそうです

 

 

さてそのお店ですが、回転を上げるための工夫がイロイロ見て取れるんです

 

まずカウンターに対してイスが少し低くなっています

 

最初座ったときに違和感があったのですが設計ミスのはずがありません

(もしそうならイスを買い換えれば済む話です)

そうではなく、相対的にカウンターを高くすることで麺をすする際にドンブリと顔を近づける効果があり、それによってカウンターが汚れるのを防いでるんだと思います

 

ラーメンって麺をすするときの飛沫でテーブルが汚れることが多いのですが、それを防ぐことで掃除の手間を少なくしているんでしょう、しかも衛生的!

 

サッとテーブルを拭くだけで次のお客さんを案内できます

 

 

また、他のラーメン店によくあるような「テーブル調味料」が全く置かれていません

 

定番のコショーから始まりラー油、酢、ゴマまど、食べている途中で調味料を入れて味を変化させるのが、最近のラーメンの楽しみ方だと思うんです

でもそれをすると一人あたりの滞在時間を長くしてしまいます

 

「あ、ラー油入れたらめっちゃ旨いよ!」

「え、ホント?やってみよ・・・」

「あー!これめっちゃ旨い!!」

「これって酢を入れたらどうなるのかな・・」

 

なんてことをワイワイ言いながら食べると楽しいのですが、イロイロ試したり、一口スープをもらったりと、時間のかかる食べ方を推奨していることにもなりかねません

 

そうすると、どれだけスタッフがテキパキしていても「いいから早く食べろよ」とイライラする人間が必ずでてきます

そういう気持ちは伝染しますから、一人でもイライラすると行列全体の雰囲気が悪くなってしまうんですね

行列は店内の壁際まで続いていますので、それを放置すると店内がギスギスしてしまいかねません

 

かといって食べ方なんで指図できるはずもないので、そういったリスクのあるものを「最初から置かない」方式を採用しているんでしょう

 

 

「人数によって順番を入れ替えない」というのも目からウロコでした

 

今回ぼくたちは二人で来店したのですが、いよいよ順番が次になった際にカウンター奥の一人客が食べ終わって席が空いたんです

「席一個じゃまだ順番じゃないな」と思っていたのですが、実はさらにその奥にもう一つイスがあったようでそのまま案内してもらいました

 

つまり、客数のパターンによっては「行列ができていても席を一つ空けたままにしておく」方式なんですね

 

一人で来ているお客もいれば二人連れもいますので、席数がうまく合わないことも当然起きてきます

その際に普通のお店なら「席が一つしか空いていませんので、先にお一人のお客様をご案内します」と断って、順番を入れ替えたりしがちなんです

 

だからといって次に二人連れの席が空くとは限りませんので、タイミングによっては一人席ばかり空いてしまい、その二人連れをムダに待たせてしまうことになりかねません

 

「たまたまタイミングが悪かった」のは見ていればわかりますが、だからといってその二人連れが納得するかどうかなんて誰にもわかりません

そういったリスクを回避するために、一人席が空いても次の順番が二人連れならその席は空けたままにしておくんでしょう

 

※もう一つ別の場所でイスが空けばおそらく離れて案内するんだと思いますが、そういったシーンには出くわしませんでいた

 

空いた席によって順番を入れ替えながらパズルのようにお客を案内していくのって、大して忙しくないお店の方式だったんですねー

本当に忙しいお店では、そんなことをすると順番がグチャグチャになってしまいクレームの元を作ってしまいます

だから一時的に回転が悪くなってもイスを一つ空けたままにしておくほうが、全体で見た場合の「回転率の高さ」につながるんだと思います

 

今回並んでみてそれがハッキリと理解できました

 

他にもいろいろと工夫がありそうですが、一度の来店ではこれぐらいしかわかりませんでした

次回来店した際にはまたいろいろ見てみようと思います

 

にしても、旨かったなー。

 

ではでは