音楽とか、考え事とか

音楽とか、考え事とか

日々考えたことを書いています。

転売転売というけれど

御朱印帳がオークションに出品されてるのを見て神社側が苦言を呈した」というニュースを見ました

御朱印帳が転売される時代なんですねー

 

音楽業界もチケットの転売に対してアレコレと防止策をとっていますが、なにか世間的には「転売は悪!」といった雰囲気が漂っています

 

でも小売業って基本的には転売ですよね?

 

業者から安く仕入れてそれを高く売るのが基本です

その卸業者も当然、卸値よりもさらに安く仕入れています

 

買った金額よりも高く売るのが商売なのに、それを個人レベルでやるとどうしてここまで叩かれるんでしょう

どうも日本には「汗をかかずに儲けるのは許せない!」という風潮があるようです

 

最近はどこも売り上げが厳しいので、卸業者であっても「少ないロット数で」「個人に対して」販売するようになっています

おかげでネット上で個人が卸値のように安価で物が買えるようになりました

 

いい時代だ

 

誰でも購入できれば転売で儲けることができないので問題になることはありません

 

品切れ時にどうしても手に入れたければ転売品を購入することもありそうですが、それは時間をお金で買っているだけなので双方納得の上です

 

これも問題にはならないでしょう

 

問題なのはそれが限定商品や常に入荷待ちの人気商品で「なかなか手に入らない」場合です

こうなってくると転売屋さんの出動ですね

「需要に供給が追い付いていない」のを嗅ぎつけるとどこからともなく現れ、買えるだけ買って転売し利益を得ます

 

これに対して販売者がとやかく言う権利はありません

なぜなら需要に合わせて供給しない側に原因があるからです

 

例えば1個3000円の商品が人気で、入荷と同時に短い時間で完売するとします

買いたくても買えない人が大量に発生するので「売ってくれ」という声が販売者に多く届きますが、お店側は「申し訳ありません、フル稼働で製造しているのですが追いつきません」と謝るばかりです

 

でも本当は、販売者が腹の底でほくそ笑んでるのを誰もが気づいています

作っただけ売れればロスはゼロ、儲かって仕方ないからです

さらに「買えない!」ことが購買欲を刺激し、商品価値を高めてくれますので、販売者は嬉しくて仕方ありません

 

だから「買いたいお客様の気持ちに付け込んで高額転売するのはお控えください」などとメッセージを発したりもしますが、これも完全にポーズです

 

本当に防止したければ売価を1万円にすればいい、そうすれば即完売することもなくなって欲しい人全員が買えるようになります

1万円でも完売するなら2万円にすればいいし、本来なら需要に合わせて売価を設定すべきなんです

 

でもそんなことは絶対にしません

 

理由は2つあって

 

まず、先ほども書きましたがなぜか日本では楽をして儲けることを悪と捉える風潮があります

「買いたい気持ちに付け込んで値上げするなんて許せない!」といった「的外れで幼稚な意見」がなぜかまかり通ってしまうんです

 

日本はいつから資本主義じゃなくなったんでしょうか・・

 

2つ目は「いつでも買えるようになった途端に売れなくなる」からです

 

今買っておかないと!という動機はその商品の強烈な魅力ですので、それがなくなると「途端に見向きもされなくなってしまう」と販売者は考えています

 

そうやって価値が下がり完売しなければ売れ残りのロスが出るので、なるべくロスを出さないように、なおかつ売り切れてしまわないように「生産数を予測して管理する」という手間も増えます

 

なによりも完売しなければ話題性がなくなってしまい、社長や製造部の責任者がメディアでチヤホヤされなくなってしまいます

 

実はこれが一番の原因なのかもしれません

 

ある商品がヒットするとそれをメディアが嗅ぎつけてアレコレ報道してくれるようになり、さらに人気に火がついて常に行列ができるようになります

この「行列」は販売者に対する評価が見える形になったものですから、長ければ長いほど売る側(現場ではなく管理者)は気持ちよくなります

 

そのせいで近隣から苦情が来たり、列の整理のためムダに人員が割かれても「それも致し方ない」と思えるほどに気持ちのいいものなんでしょう

それらを手放したくないがために値上げを敢行しないのであれば、売れた商品が転売されようとそれを咎める権利はありません

 

ちなみに「製造数を増やせば?」という意見もあるかもしれませんが、すでに「製造ラインがフル稼働!」なので増やすなら新たにラインを増やすしかありません

でもそれには設備投資が必要なので運営の固定費を増やすことになり、固定費は売り上げに関わらず必要な経費ですのでい増やすのはリスクが高すぎます

 

ブームが去って販売数が激減すると製造ラインにも余裕ができてしまい、せっかく増設した投資がムダになってしまうかもしれません

しかも製造キャパを増やして販売数を増やすこと自体が、ブームの終結を後押しする可能性まであります

 

繰り返しますが、「いつでも手に入ると価値が下がってしまう」からです

 

それなら「なかなか手に入らない」状態を放置しておくほうがよほどの良策ということになります

 

そんなこんなで今日もヒット商品に大行列ができるわけですが、「並んだだけで購入できるならそれを転売して儲けるか」と考える人間が出てくるのは当然のことです

 

並ぶだけで稼げるなら、なんのスキルも必要ありません

本でも読みながら待てばいい、必要なのは根気と体力です

 

もしこれが気に入らないなら、対策は「おひとり様〇個まで」ぐらいしかありません

 

でもそうすると、自分の欲しい数に足りない人は誰かを連れて一緒に並ばないといけなくなったり、購入してから再度、列の最後尾に並びなおす必要が出てきます

 

そんな手間を考えれば「プラス2000円程度なら転売されているものを買おう」という気持ちになるのもムリはありません

 

転売商品にも需要がある!ってことですね

 

 

「人気を保つためにあえて安値で販売している」ということと「安く仕入れて高く売るのが商売の基本である」ということを考えれば

 

高額転売問題の本質が見えてきます

 

まあ、もっともっと根本的な部分では「本当にいいものより、安いものや話題になっているものを購入する人が大多数」という日本人の特性に行きつく気もしますが・・

 

長くなるんで今日はこのへんで

 

ではでは