音楽とか、考え事とか

音楽とか、考え事とか

日々考えたことを書いています。

『君の名は。』の考察を超個人的な主観でまとめておきます

完全にネタバレなので気をつけてください

 

また、映画を観た方も小説版で出ている「アナザーサイド:アースバウンド」を読めさらに深く物語を理解できますので、オススメです

 

 

こちらは本編で描き切れてない部分を補足する内容で、映画だけではいまいち納得できなかったことを補足してくれています

 

例えば

 

・さすがに変電所爆破はないでしょ?ブレーカー的なのを壊すだけでいいのに・・

・町長はなんであんなすんなり避難指示を出したの?最初にお願いに来た時は全く相手にしてなかったのに・・

・口噛み酒ってこれまでの長い歴史で誰も飲んだことないの?

 

なんて疑問を持った方もいると思うんですけど(僕は思いました)、この本を読めばすっきり解消します

 

さて、この先に書いているのは映画を観て、小説版、アナザー、を読んだ上で僕が考えてまとめたものです

これが正解というわけではなくあくまで僕の解釈ですので、それを理解した上で楽しんでいただければ!

 

 では始めます

 

遠い遠い昔、神話の時代に山の上に隕石が落ちてクレーターができ、その中心に残った隕石の破片をご神体として宮水神社が建てられます

 

これがたぶん今回の物語の2400年前と思われます

つまり2回前のティアマト彗星ですね

 

山の上なのでカルデラか?と思いますが「アナザー」でテッシーが「このあたりに火山はない」といってるので、それを信じるならこの場所も隕石落下のクレーターということになります

 

またカルデラは内部が火山灰なので大きな木が育たない、という説明をどこかで見かけた気がするので、やはりクレーターっぽいですね

 

2400年前というと紀元前ですから、神話の時代に宮水神社が建てられたという説明にも合致しています

ではそのさらに1200年前はどうだったのか?という疑問がわいてきますが「そんなの昔のこと過ぎて知らねーよ」ってとこでしょう

 

さて、この宮水神社は代々宮水家の女性が巫女を務めて地域の信仰の対象になります

この宮水家の巫女はそれぞれに特殊能力が備わっており、多感な少女時代に夢の中で他人と入れ替わることができるんです

 

この能力の目的はたぶん、巫女のストレス発散です

 

なぜなら、夢の中で他人と入れ替わること自体が神社や地域になにか作用するとは思えないからです

なのでおそらく、「宮水の巫女」として常に背筋を伸ばして生きていく宿命にある女性たちに、ちょっとしたご褒美として「全く別の場所の他人の人生を疑似体験」させてあげているんだと思います

 

そしてそれとは別に、宮水家には大きな使命があります

 

それは1200年周期で起こる隕石の落下地点を糸守町に引き寄せ、さらにその被害から地域を守ることです

 

1200年周期とはいえ、同じ場所に何度も隕石が落ちるのはどう考えても不自然です

 

そう考えるとその力こそが宮水の特殊能力ということになり、それで世界を守っているんだと思います

 

これは巫女個人というよりは宮水家の、宮水神社の力っぽいですね

 

でもそのままでは糸守町の人々が死滅してしまうので、彗星最接近に合わせて「特殊能力MAXの巫女」が生まれ、災害を予知して人々を導いて避難させるんでしょう

 

そうやって1200年ごとに起こる災害に備えていたんでしょうね

前回の隕石落下で「糸守湖ができた」時もそうやって多くの人命を救ったんじゃないかな?

 

でもそれだけでは万が一ということがあるので、念のため二重で保険を掛けます

 

それが口噛み酒ですね

これで復元ポイントを作成します

 

それを毎年更新してご神体に備えることで、隕石被害が避けられずに宮水家の血が滅びた時には「特定の誰か」がその酒を呑むことで、滅びる前の巫女と入れ替わって救ってもらうのを期待しているんでしょう

 

天井に彗星を描いているのも「ご神体と隕石と口噛み酒の関連性」に気づいてもらい、入れ替わりによる救済を後押ししているんだと思います

 

では誰が飲んでも入れ替わりが起こるのか?というと、そうでもない気がします

知らない人がたまたま登山の途中にご神体を見つけて「お供えの酒を飲んでしまう」可能性も充分考えられるからです

 

そうならないように、おそらく一般の人間が口噛み酒を呑んでも何も起こらないんじゃないかな?

 

では誰が呑めば入れ替わりが起こるのか?

おそらく基本的には宮水家の血を引く人間だけだと思います

(アナザーでは四葉が口噛み酒を舐めて遠い先祖の体に意識が入りました)

 

長い歴史の宮水家の血を引く子孫が一葉、三葉、四葉、の3人しか残っていないとも思えませんので、かなり遠い親戚ならどこかに存在しているような気もします(家出、破門など)

 

もしもの際には宮水の力でその人達が目覚めて、引き寄せられるように御神体までたどり着き口噛み酒を飲むのかな?

 

う~ん、ちょっとムリがあるような気もしますが、今回はそうならなかったので、まあヨシとしましょう

 

ちなみに今回、瀧が呑んで入れ替わりが起こったのは、後述する特殊な事情のためだと思われます

 

さて、神社には組紐を巫女の手で組むことが伝えられていますが、組紐そのものよりも編む行為自体に意味があるとされており、

人と人の結びつき、先祖から子孫の結びつきで隕石被害から身を守ってほしいという願いが込められています、たぶん

 

神楽舞にも込められたメッセージがあるはずだけど、それは火事で文献が焼失したため形だけが残ってしまいます

たぶんこれも隕石落下を暗示する内容なんでしょうねー

 

また、そもそも文献自体にも隕石被害の予言を書き記していると思うんです

 

ただ、宇宙科学の概念がない時代の巫女が書いたものなので書いた本人も隕石自体を理解できず、天の怒りや龍に例えたりして内容が具体性にかけていたんじゃないのかな?

 

でないと普通に「隕石落下の予言」として代々受け継がれるはず。

 

そうでなくきっと、「龍の脅威から組紐でこの地を守った」みたいな抽象的な内容で 「龍=困難」「組紐=人の輪、時間の流れ」なんかに置き換えて認識されてしまい、人生の指南書のような位置づけになってたんじゃないのかな?

 

それを宮水家の「普通の巫女」が読んでも文献の真の意味は理解できなかったんでしょう

だから200年前の「繭五郎の大火」で消失した際に、文献に記された予言の真の意味が完全に消失することになります

 

もしその文献が残っていて、それを2016年の時点で能力MAX巫女が読めばその隠された意味も理解できて、彼女が人々を先導すれば被害を最小限に抑えることができたはずです

 

でも文献はもう無いし、何よりアクシデントが起きてしまいます

 

その「能力が最大化した巫女」が三葉のお母さんの二葉なんだけど、、彗星接近を待たずに二葉が病気で死んでしまうんです

 

二葉の能力の特殊性は「アナザー」にいろいろ書いてますので、ぜひ読んでみてください

 

そこで急遽三葉にその役目が回ってきたんだけど、そもそも見合うだけの能力を備えてなかったため、隕石接近のニュースを見ても危機を感じ取ることができません

 

そこで今回の「明瞭な入れ替わり」が起こることになったんだと思います

もしものときは復元ポイントに戻れるように、です

 

この「入れ替わり」ですが宮水の巫女は少女の頃に誰しもが経験するものの、あくまでも「夢の中で誰かの人生を経験したことがある」程度のもので、三葉のように何度も何度も明瞭な入れ替わりが起きたとは考えにくい

 

なぜなら、巫女が他人の人生を生きるのはまあいいとして、他人が巫女の体に入るのは宮水にとってどう考えてもリスクが高すぎます

 

だから本来の入れ替わりは、夜寝ると夢の中で誰かと入れ替わって全く違う生活を送り、朝目が覚めたら忘れている、といった程度のものなんでしょう

 

つまり、一方通行の入れ替わりです

 

でも今回は「能力が追いついていない三葉」が差し迫った使命を果たすために、特別バージョンとして双方向の入れ替わりが何度も起きたんだと思います

 

それが後の口噛み酒トリップにつながるんですね

 

何度も三葉に入ったことのある瀧なら、宮水の血をひいてなくても口噛み酒の効果を享受でき、それを呑むことで復元ポイントに戻ることができたんでしょう

 

そのための「双方向の入れ替わり」ってことになります

 

ちなみにこの入れ替わりはいろいろ辻褄が合わない部分があり

 

・3年ズレてたら曜日が合わない

スマホを見れば3年のズレはすぐに気づくはず

・瀧が糸守の場所を忘れていたのはさすがに不自然では?

 

なんて疑問をネットで目にします

 

まあ一言でいってしまうと「夢だから」なんだと思います

 

物語ってかなりの時間をかけて推敲して作られていますので、そういった矛盾には監督や脚本家も当然気付いているはずです

それでもそのまま残しているということは、それだけ「夢」というものが曖昧ってことで、その曖昧さを矛盾の説明としているんでしょう

 

誰もが見たことのある夢ですが、夢の中で日付や曜日を意識したことのある人がどれぐらいいます?

しかも同じ日付で入れ替わってるとはどこにも記載がありません

実は三葉の8月2日と瀧の8月4日が入れ替わっているのかもしれないんです

 

そうすると三葉は「三葉として8月1日」を過ごし、翌日に「瀧として8月4日」を過ごして、その翌日にまた「三葉として8月3日」を過ごすことになります

でもその日付の矛盾にも本人たちは気づいていないんでしょう

 

なぜなら夢だから

 

夢の内容って辻褄が合わないことだらけですが、それでも不自然に感じないのが夢なんですよね

例えば、子供の頃の自分が今年できたばかりの施設を歩いてたり、知らない人と仲良く遊んでいるのにそれを自然に受け入れてたり・・

 

夢の中ではそういった矛盾が当たり前のように存在しています

 

さらに、目が覚めた瞬間には心に突き刺さるような内容だったはずの夢の内容を、顔を洗って歯を磨く頃にはすっかり忘れていたり、

笑いが止まらない内容だったはずなのに、後から思い出しても何が面白いのか全く理解できなかったり・・

 

そういったことも頻繁に起こりますよね

 

「夢の中で入れ替わってる!?」

「あんた、夢を見とるな」

 

などと物語の中で「あくまでも夢である」ということが強調されていますので、細々した矛盾は「夢押し」で辻褄を合わせているんだと思います

 

「いや、スマホの日記機能を使っていたのに気づくはずだ!」という意見もあると思いますが、それもあくまでも僕たち「第三者の視点」から言えることなんです

 

夢の中の住人にしてみると

「3年のズレを目で見ているのに何も不自然に感じない」

「しかも元に戻るとそのズレ自体を忘れてしまう」

なんてところでしょう

 

人間は一度寝てしまうと時間の概念が曖昧になります

 

・10分昼寝したつもりが1時間経ってた・・

・6時間寝てるのに一瞬で朝を迎えた気がする・・

 

なんてよくあることですよね

 

 

さて時事系列に戻りますが、隕石落下の前日を見てみましょう

 

三葉は、瀧の片思いを応援してるはずの自分が、鏡を見ながら涙を流してしまい「自分が瀧に恋をしている」ことをハッキリと自覚します

 

それで慌てて東京に行きますが、そもそも3年のズレがありますので見つけられるはずもありません

 

クタクタになるまで東京中を探し回ったあげく、諦めかけた駅のホームで奇跡的に電車内の瀧を見つけます

 

「自分たちは会えば必ずお互いを認識する」

 

そう確信をもって勇気を出して声を掛けますが、瀧は3年前の中学生なので、当たり前ですが三葉のことを全く知りません

声をかけても「誰?お前」となってしまいます

 

でもそこは特殊能力のある宮水の巫女です

 

3年前の瀧にしてみれば全く知らない女が急に声をかけてきた状態なのに、「もしかして・・知るべき人なのかも・・」と感じさせて「名前は?」と聞かせることに成功します

 

そこで「みつは!」「名前は三葉!!」と叫んで髪を結っていた組紐を投げ渡しますが、ここはたぶん声は届いてなかったんでしょう

でないと入れ替わった時にさすがに気づくはずです

 

この時は夢の中じゃありませんからね。

 

そして三葉の能力は

 

「突然声をかけてきた知らない女が投げてよこした髪留めの紐を、気持ち悪がらずにお守り代わりに手首に巻く」

 

ということにも作用しています

 

そしてこのお守りは大事に引き出しなどにしまっていたのでしょう

でないと入れ替わった三葉が見つけてしまい不審に思います

 

自分が毎日髪を結っている組紐ですからいくら夢の中でも目にした瞬間に「これは自分のものだ」と気づくはずですよね

 

そして瀧は、思春期男子のくせに「美人に突然声をかけられた」という出来事を記憶に埋没させてしまい、

三葉は「出逢えば必ずわかる」という期待を裏切られたショックで髪をバッサリ切ってしまいます

 

そのまま翌日もショックを引きずって学校をさぼってたところ、テッシーの電話で呼び出されて祭りに参加し隕石の落下でみんなもろとも死亡、という流れですね

 

この時、3年前の瀧はマンションの屋上で彗星を眺めますが、前日に知らない美人から組紐を渡されて、その翌日に目を見張る天体ショーを見たのに、そんなスペシャルな記憶が3年後にすっぽり抜けています

 

うーん・・・少しムリがあるような・・

 

 

そして3年後の瀧に視点が移ります

 

奥寺先輩とのデートがいまいち盛り上がらずに打ちのめされる瀧ですが、その時点で3年前の三葉が隕石落下で死んでしまったため、入れ替わり自体がなくなってしまいます

 

どういうことだ?としばらく悶々としていた瀧ですが、一念発起して三葉に会いに行くことにします

 

ここで友達の司と奥寺先輩が同行するのですが、この同行には物語として何の意味もない気がします

連れができたことで何かに気づくきっかけになったこともないし、糸守のことを知ったのも全くの偶然で彼らのおかげではありません

二人がやったことと言えばせいぜい「そんなはずはない」「3年も前に死んでるんだ」という現実を突きつけた程度です

 

こうでもしないと奥寺先輩の登場を増やせなかったのかもしれませんね

「大人の事情」ってやつかな?

 

それにしても奥寺先輩は不思議な人です

 

特別好きでもなかった瀧が急に女子力が高くなって仲良くなり、デートまでしてみたけどいまいち盛り上がらずにディナーを断り、「好きな子ができたでしょ」と指摘します

 

なのにそいつの彼女探しの旅には同行して、はしゃいだり無防備になったり、混乱している瀧を見てやめていたタバコを吸ってみたりと、どうにも不安定な感じ

 

「好きだったんだー、もともといい子だったんだけど最近はすごく一生懸命で・・」と言っていますが、それもどこまで本気なのかわかりません

 

もしこれが本気の発言だとしたら

 

元々いい子だと思っていた瀧が(入れ替わりの影響で)急に気になりだしたけど、どうも別に好きな子がいる感じ・・

その彼女に会いに行くっていうから同行してみたけど、その子が3年前に死んでいた事実を知り混乱する瀧を目の当たりにして、自分の入り込む余地はないんだと思い知ってやめていたタバコを吸ってしまう・・

 

ってところかな?

 

軽い失恋のような気持になったんでしょうか?

美人だから打たれ弱いとか??

 

この時点で瀧がほっとけない弟のような位置づけになったのかもしれません

そう考えると就活時代に会いに来たのも納得できる気がします

 

さて、隕石落下で糸守の壊滅を知った瀧は混乱します

でも組紐をきっかけにご神体や口噛み酒のことを思い出し、それを呑んで最後の入れ替わりに成功するんですね

 

ここで隕石落下当日の三葉と入れ替わったのはなぜなんでしょう?

巫女が死んでしまったら、その亡くなった日が復元ポイントになってるってことかな?

 

ここは明確な答えがないように思います

 

最後のチャンスを手にした三葉の姿の瀧は朝からエンジン全開で動き回ります

朝、家でおばあちゃんの一葉に「おや?あんた三葉やないな」といわれてそれを認めますね

 

もうそんなこと気にしている場合じゃないってことです

 

そして「今夜この町に隕石が落ちる」と伝えますが「誰も信じない」とあしらわれてしまいます

このやり取りが実は後に町長の部屋に「絶縁状態」の一葉(ばあちゃん)が四葉を連れて行くキッカケになっているんです

 

そしてこのこと(だけじゃないけど)が2度目の三葉のお願いを町長が聞き入れた原因の、最後のひと押しなっています

 

そのあたりは「アナザー」に詳しく書かれていますよー

 

学校に着いた三葉はテッシーとさやちんを巻き込んで避難計画を練り上げますが、消防の出動が必要だと町長に町民避難をお願いしに行き、全く相手にされず途方に暮れることになります

 

使命感はあるのに打開策が見つからない・・

 

その時ご神体の方に三葉の存在を感じ取り、それにすがるように引き寄せられます

「自分では役不足、ここはやはり三葉でないとムリだ」ということをハッキリと自覚するシーンですね

 

テッシーに自転車を借りて急ぎ御神体に向かいます

 

同じ頃(といっても3年後ですが)口噛み酒を飲んだあと滑って頭を強打した瀧の体に三葉の意識が入り込んで目が覚めます

色々理解できないまクレーターの淵まで歩いていって壊滅した糸守を目の当たりにし、自分がその時に死んでしまったことを理解します

 

その時に瀧の意識がはいった三葉の声(文字にするとややこしい)が聞こえます

 

信じられない光景でパニックになった三葉はその声にすがるしかなく、瀧の体で大声で叫びますがお互い声は聞こえても姿を見ることができません

 

3年の時間のズレがあるからですね

 

それでもクレーターの外周を走っている間に「今すれ違った!」とお互いが感じて、姿は見えないけれども存在を感じるところまでたどり着きます

「私達は逢えば必ずわかる」が今度こそ実現しているんですね

 

そこで「かたわれ時」です

 

時間のズレが一時的になくなり、つい二人は出会うことができます

 

ひとしきりイチャイチャしたあとでお互いの手の平に名前を書くことにしますが、三葉が瀧の手に書こうとした瞬間にかたわれ時が終わってしまいます

 

忘れないうちに!と自分で手の平に書こうとする瀧ですが、その時はすでに名前が思い出せません

 

そのことに混乱しているうちに自分がここに何をしに来たのかも忘れてしまい、三葉の存在そのものが完全に記憶からなくなってしまいます

 

残ったのは「なにか大事なことがある」という曖昧な感覚だけ・・

 

なぜここで記憶がなくなったかというと「隠り世」から戻る際に大事なものを失ってしまうからでしょう

 

お供えの際に三葉たちは自分の半身である口噛み酒を残してきたから何も起こりませんでしたが、なにも残すものがない瀧は人生において最も大事とも言える「記憶」を奪われてしまうんですね

 

そして三葉も、瀧の体に宿って隔離世から戻ってくる際に何も置いてきていないので同じように記憶を失います

つまり、瀧として隔離世に入り三葉として出てきたので、二人とも大事なもの、記憶を奪われてしまうということになります

 

翌朝になって目が覚めた瀧は、なぜ自分がこんな場所にいるのかも理解できずトボトボ帰ることになります

 

そのまま喪失感が心に残ったまま悶々と生きることになり、感動のラストに向かうわけです

 

さて、同じく「かたわれ時」が突然終わってしまった三葉ですが、やはり女性は切り替えが早い!

瀧の名前を心のなかで叫びながら大急ぎで町に戻り、計画していた「避難誘導作戦」を実行します

 

そして町長の説得になんとか成功してギリギリ難を逃れ使命を果たします

この時になぜ町長がすんなり説得を受け入れたかは「アナザー」を読んでください

 

そして数年の月日が流れていよいよ感動のラストです

 

一度観た方なら気づいているはずですが、オープニングのシーンがそのままラストにつながっています

 

お互いにモヤモヤした感覚を心に抱えた二人は、並走する電車の窓越しにお互いを認識します

 

それは、かつて叶わなかった「逢えば必ずわかる」という感覚を現実世界でも証明することになります

 

お互いに次の駅で降りて街中を走り回って相手を探します

「相手も必ず自分を探しているはずだ」という確信があるからです

 

そして階段の上と下でお互いをついに見つけます

 

この階段は3歳の年齢差や3年の時間のズレなどを暗喩しているんだと思います

そしてお互いに階段を進みだし真ん中ですれ違うのですが、二人とも怖くて声がかけられません

 

三葉は東京まで瀧に会いに行った際にこっぴどく失敗した経験があり、その事自体は覚えていなくても恐怖心が心に突き刺さっています

 

瀧は理由もなく(と思いこんでいる)糸守に惹かれる自分自身が理解できずに、記憶や感覚に今一つ自信が持てない状態です

 

でも無言ですれ違ってそのまま歩こうとした瞬間にお互いが確信します

 

「こんなのおかしい!」

 

このあたりの描写は小説版がすごくいいので、より深く楽しみたい方は小説版を読んで下さい

 

 

ちなみに瀧は、無くなった記憶の感覚だけが残っているせいでモンモンとしていたわけですが、三つ葉は違いますよね

なんせ手のひらに「すきだ」と書かれていたわけですから、フツーに考えれば画像に撮ってスマホに保存してるはずです

(そのまま走って父親を説得しても、文字は消えてないはず)

 

でもそれを書いたのが誰なのか全く覚えていないので、もっと具体的にモンモンとしてたのかもしれません

 

さらに祖母である一葉からコトの次第を聞いてるはずですよね?

 

あの日の朝、祖母は三葉が別人の人格になっていたことに気づいていたわけですし、問われた瀧もそれを認めています

さらにテッシーやさやちんとテロともいえるような過激な避難作戦を実行しています

 

その話も当然、後日になって三葉の耳に入るわけですから「自分が誰かと入れ替わってたこと」は認識してるはずです

 

その「誰か」を探し求めていた、ってことになるんだと思います

 

物語冒頭の「朝、目が覚めるとなぜか泣いている。そういうことが時々ある。」というのは

 

「またあの人の夢を見ていたんだ・・」

「いったい誰のことなんだろう?」

「その人のおかげで私は糸守の人たちを守ることができた」

「そんな大切な人のことをなぜ思い出せないんだろう」

 

という心にポッカリ穴が開いたような喪失感なんでしょう

 

こちらのほうがより具体的であるぶん、キツそうですね

 

 

そして出会った後どうなったんでしょうか

 

お互い記憶はないはずだから初対面ということになりますが、お互いが「運命の人だ」と確信してるわけですから、どう考えてもうまくいくんでしょうね

 

そのあたりを描かないあたりも憎いです

 

ちなみに、三葉、四葉、テッシー、サヤちんが東京に出てきているので、おそらく糸守は人命こそ守られたものの、やはり町自体は消滅したんでしょう

 

でないと地域を守る神社の巫女が東京で暮らしているはずがないですし、 神社自体も消滅したのかもしれません

 

でも離れた場所にある御神体は残ってるはず。

 

 そうすると次の1200年後の災害はどうするんでしょう?

 

今回、核が割れたから軌道が変わってもう接近することがなくなったとか?

いや、でも1200年ごとに隕石落下してるわけですから、割れるのは毎回なんですよね

 

ってことは今は東京で暮らしている三葉や四葉なのか、もしくはその子孫になるのかはわかりませんが、いずれ宮水の血は糸守に帰って神社を復興させることになりそうですね

 

そうやってこれまでも次回の災害に備えてきたはずだから。

(ちなみに次回は西暦3216年)

 

父親である町長はどうなったんでしょう

町が無くなると当然、その職もなくなりますよね

 

数年たった今も残務処理をこなしていたりするのかな?

案外、今回のことがキッカケで宮水家と仲直りをして東京で一緒に暮らしてるとか?

 

そうあってほしいですね

 

 

最後に「相手はなぜ瀧だったのか?」ですが、特に理由はないと思います

 

恋愛や結婚ってそうですよね

「なぜその人を選んだのか?」に対する明確な理由なんてありません

 

・一緒にいると安心するから

・こいつしかいないって思ったから

 

なんて理由でしょ?

 

「来世は東京に済むイケメン男子に!」と叫んでいたので、条件を満たす中で好みの男子を三葉自身が無意識に選んだのでしょう

 

瀧のことを好きになった理由は「アナザー」を読むとよくわかります

 

映画ではそこまで詳しく描かれていませんが

 

三葉は地域の信仰を集める神社の巫女で父親が町長ですから、シガラミがシガラミまくっていて自分自身をがんじがらめに縛りつけてしまっています

 

それを入れ替わりによって瀧が自由奔放に解き放ってくれたので、三葉は生きることがかなり楽になったはずです

 

「好きなように振舞っても案外どうにかなるんだ」という価値観を教えてくれたのが瀧なんでしょう

 

一生懸命無理して背伸びして頑張ってるところに「そんな頑張らなくっても大丈夫だよ」とイケメンが教えてくれた形ですね

 

そりゃコロッといくか、元々自分好みのイケメンを選んでるはずですし・・

 

ざっとまとめて書いてみましたがいかがだったでしょうか?

気づいたことがあれば追記していきますね

 

ではでは