音楽とか、考え事とか

音楽とか、考え事とか

日々考えたことを書いています。

the HIATUS は若者が新しい音楽に触れる入り口になっている

2013年頃から the HIATUS というロックバンドのファンなのですが、先日ふと気づくことがありました

 

2016年末のロックフェス「RADIO CRAZY 」でステージを観たのですが、そのセットリストが独特だったんです

 

セトリはこんな感じ

 

0. Clone(転換時のサウンドチェック)

1. Geranium

2. Storm Racers

3. The Flare

4. Bonfire

5. Unhurt

6. Radio

7. Insomnia

8. 紺碧の夜に

 

いつもサウンドチェックで1曲やってくれてお得感があってサイコー!

始まる前からテンションMAXです

 

んで、ハイエイタスが活動を始めた2009年の同じフェスでのセトリがこちら

 

1. Storm Racers

2. Ghost In The Rain

3. Lone Train Running

4. Centipede

5. Antibiotic

6. Silver Birch

7. The Flare

8. 紺碧の夜に

9. Twisted Maple Trees

10. Insmnia

 

2016年のセトリでいうと太字の2、3、7、8曲目が初期の曲だとわかります(1st、2ndアルバムに収録)

0、1、4、6曲目は今年リリースした5thアルバムの曲なので、9曲中、初期の曲が4曲、最新曲が4曲、それ以外が1曲(4thアルバム)ということになります

 

アルバムをリリースした年のフェスなので最新曲が多いのはアタリマエ、それ以外が初期曲に偏りすぎているんですよね

今までさんざんフェスで見てきたのに気づきませんでした

 

今回のセトリでは最新曲に席を奪われて落選していますが、この他にフェスで演奏しがちな定番曲は

 

・Silver Birch

・Lone Train Running

・Monkeys

・ペテルギウスの灯

 

などがあり、どれも初期2枚のアルバム収録曲なんです

 

どうもセトリの決め方は「最新曲を数曲入れる以外は初期の曲を演奏する」ってことみたいですね

 

なぜこんな決め方をしてるのかな~?ってのが今日の記事なのですが、おそらくフェス受けのいい曲を選んでいるからだと思います

 

フェスはそのバンドのファンだけじゃなく、よく知らない人も観ています

そしてフェスは「ただ騒ぎたいだけのヤツら」がわんさかいます

 

この層に受け入れられやすいように、初期の頃にやっていた「ノりやすいロックの曲」を選んでいるんだと思います

ノりやすい曲というのは縦ノリで手を叩くタイミングがわかりやすかったり、サビでダイブするヤツらが多発する曲のことです

 

1~2ndアルバムにはそういった曲が多く収録されているのですが、3rdからはアコースティック曲やホール映えする壮大な曲も多数あり、他にも打ち込みを多用したり最新では Bonfire のようにプログレっぽい曲もあります

プログレとういう解釈で合ってるかはさておき)

 


the HIATUS - Bonfire(Music Video)

 

 3rdアルバム以降はダイブするようなバンドではなくなってるんですよね

 

でも「フェスで騒ぎたいヤツら」はこういった曲を好まない傾向があり、実際、フェスでもBonfire が演奏された際には「どうノればいいかわからない若者」が僕の周りに多数いました(モチロン僕はノリノリ)

 

最前から3列目にいたのにですよ!

 

こういった初心者がノりにくい曲ばかりやると受けが悪くなり、若者に支持されなくなってしまう

そうならないための偏ったセトリなのかなーって思うんです

 

玄人好みの選曲で初心者を寄せつけないのではなく、わかりやすい曲で盛り上げてワンマンライブに誘導する

そこで「こんな曲も演るんだぜ」と新しい音楽に触れさせて、もっと深い音楽世界に目覚めさせるキッカケ作りをしてるんじゃないでしょうか

 

フェスで騒いでいるだけのヤツらは30代にもなるとリスナーではなくなってしまうかもしれない・・

そういった危機感もあるのかもしれません

 

「お祭り気分の若者をいかにしてリスナーとして定着させるか」

 

だからワンマンライブのチケット代金も破格なんだと思います

安いと敷居もグッと低くなりますもんね

 

ただこれをするとすでにファンになっている人たちが苦労します

だってチケットが取れないんです、とんでもない倍率ですからね

 

それでもロックファンの裾野を広げるためには必要な戦略なのかもしれません

世界的にもロックが下火になっていますし

 

自分たちのバンドだけじゃなくロック全体のコトを考えているんだったら、やはりこれからも応援してこうと思います

 

でも、でも・・・

 

チケット代、もうちょっと上げてくださ~~い