音楽とか、考え事とか

日々考えたことを書いています。

「鑑定士と顔のない依頼人」という映画のラストの解釈はこうだ!

ネタバレになる内容ですので観る前には読まないでくださいね!!!

真っ白な状態で観たほうが絶対に楽しめます!!

 

鑑定士と顔のない依頼人」という映画を見ました(DVDですが)

新年一発目にいい映画に当たりました

 

選んだ自分ナイス!

 

どんな映画か?その解釈はどうか?というのはネットにあふれているので

検索してご覧になってください、大量に出てきます

 

ラストがハッピーエンドなのかバッドエンドなのか

どちらとも取れるのでいろいろと論議を醸し出しているようです

 

まんまとしてやられている感じですね

 

んで僕の解釈なのですが

 

ラストのシーンが廃人前でも後でも、現実でも妄想でもそれはどっちでもいいと思うんです

というか、どちらにも取れるようにわざと作っているのでそこは論点ではないと思っています

 

大事なのはあのカフェでクレアを待ち続けるという描写です

 

「愛を知り孤独ではなくなった」

 

これがこの映画の結末であり、監督の言うポジティブなんだと思います

(インタビューで「ラストはポジティブだと思っている」と語っています)

 

ナイト&デイで店員さんに「お一人ですか?」と聞かれて

即答せずに少し間を置いてから「ツレを待ってるんだ」と言います

 

本当は独りなんだけどもう一度彼女に逢いたい、という描写ですね

 

その後、席についたヴァージルを捉えたままカメラがずっと引いていき

表情もわからないぐらい引きの映像で物語が終わります

 

彼女を待つ時間が途方もなく長いうえに

結局は逢えないであろうことを示しているんだと思います

 

つまりヴァージルは騙されはしたけれども

愛を知ったことでそれまでよりも豊かな人生を送ることができる

たとえ報われなかったとしても人を愛する気持ちは素晴らしいもので

それさえあれば富や名声がなくても人は生きていける

 

というメッセージなんだと思います

 

 

ラスト前の終盤に場面が転換して

介護施設のような場所で車いすに乗った廃人のようなヴァージルに

かつての部下であるランバートが郵便物を届けに来ます

 

そこから回想シーンに入り騙されていたことをひとつひとつ確認しながら

現実と回想が交互に繰り返されます

 

観ていても「こっちが現実で、こっちが回想だな」

というのが明確にわかる作り方です

 

ところが電車でプラハに向かっている辺りから

それが現実なのか回想なのか、それとも妄想なのかがわからなくなります

 

クレアが好きだと語っていたプラハの広場が見える場所に住まいを構えたりと

現実の出来事のように思えるのですが

ナイト&デイに向かう最中に回転リハビリのシーンが挟み込まれ

「あれ?やっぱ現実は介護施設なの??」となります

 

その後カフェについてラストシーンを迎えるわけですが

 

ナイト&デイというカフェが実在していた!とも思えるし

歯車だらけの異様な店内は現実感が薄くやっぱ妄想なのかな?とも思えます

 

現実にずっと待ち続けて疲れ果てて廃人のようになってしまったのか

廃人のようだった自分を乗り越えて生涯をかけて待つことにしたのか

廃人のようになりながらも心では愛を信じている描写なのか

 

どれだったとしても愛を信じていることに変わりはありませんので

そういう意味ではハッピーエンドだったのかもしれませんね

 

解釈を観客にゆだねる作り方は素晴らしいと思います

 

ヴァージルが人生最後の時に穏やかに逝けるといいですね

 

ではでは