音楽とか、考え事とか

音楽とか、考え事とか

日々考えたことを書いています。

チケットの転売には反対!でもその前にやるべきことがあるはず

先日、音楽業界全体で「チケット転売に反対します!」っていう声明が出されました

 

japan.cnet.com

これはこれでいいと思うんですけど、業界自体もやるべきことがあるでしょ?

 

というのが今日のエントリです。

 

①適正価格を「真剣に」考えてプライシングする

②整理番号や座席番号と会場レイアウトを事前に告知し、それによって場所ごとに異なった価格にする

③いっそすべてオークション制にする

 

ざっとこんなところでしょうか

③は極論ですがシステムが構築できれば理にかなってると思います

 

まず、こういったことを言うと「キャンセルできないことが問題」という意見が出てきますが、キャンセルが出来てもあまり状況は変わりません

 

現状は人気のチケットは先行予約をかけまくって取れたり取れなかったり、場合によっては重複して取れることもあります

 

重複したチケットは周りに行きたい人がいれば定価で譲りますが、いなければ入金せずに流したりヤフオクチケキャンで転売したりします

 

重複して取れるようなチケットが転売で儲かるのか?ということは置いておいて、現状でも未入金で事実上キャンセルが出来ますから、正式にキャンセルが出来たとしても状況は変わらないと思います

 

(キャンセルするとその後の当選確率が下がる懸念もありますが、正式にはアナウンスされていないようです)

 

んじゃ、クレジットカードでないと先行をかけられないようにすればどうかというと

 

キャンセルが出来ないと転売が増えるだけだし、キャンセルができるとリスクが下がって「オーダーしまくりキャンセルしまくり」になり、売る側の在庫がダブつくだけです

 

そもそも問題なのは「転売があること」ではなく「転売市場が大きくなりすぎている」ことですよね

 

そこで①の「プライシング」ですね。

 

転売が横行するチケットはそもそも価格が安すぎます

例えば7000円のチケットが1分で即完したとしても、同じチケットが20000円だったら即完したでしょうか?

 

これは極端な例ですが、ホンキで転売を無くしたいのならプライシングを真剣に考えて欲しいんです

 

7000円で2万枚のチケットが完売するのと、10000円で1.4万枚売れるのは同じ売上です

狙い通りの量を販売するのはものすごく難しいですが、その苦労をせずに転売うんぬんは筋が違うと思うんです

 

②の「価値による価格差」は、実はこれが一番の大事だと思うのですが、チケットは基本的に手元に届くまでどこでライブが見られるのかがわかりません

 

アリーナならAブロックなのかCブロックなのか、そもそもいくつのブロックがあるのかすらわかりません

 

ブロック割りが横にABCの3つならCブロックは一番後ろでかなり遠くなります、たぶんPAよりも後ろでしょう

 

でもブロック割りがABCDEFGならCブロックは真ん中やや前辺りで最も音がいいブロックかもしれません

 

座席指定の場合でもステージがどこにあるかで見え方が大きく変わるので、会場レイアウトが発表されるまでは、場合によっては会場入りするまで場所がいいのか悪いのかすらわかりません

わかるのは前のほうか後ろのほうか、ぐらいです

 

それが手元に届いて初めて判明するんです

そんな商売、他にありますか?

 

なかなか難しいのでしょうが、会場レイアウトを早い段階で決めておけば価値の高い位置が判明しますので、それに応じて価格差をつけることが出来ます

 

”ブロック割りはアリーナはABC3つ、Aブロック12000円、Bブロック8000円、Cブロック5000円”

 

というアナウンスがあったうえで先行予約をかけるなら、どのチケットを予約するか真剣に考えると思うんです

 

誰もが前の方で観たいわけじゃありませんからね。

 

よく、ステージの後方にも観客を入れるレイアウトがありますが、その「ステージ後ろ」の席でも他の席と同じ扱いでまったく同じ金額だったりします

 

どう考えてもおかしいでしょ?

 

メンバーの後ろ姿しか見えないし大型モニターも見えないし、場合によっては演出も見えなかったりするんですよ?

 

真横から後方の席は安くするべきで「安かったし仕方ないな・・」と納得できる価格にするべきです

 

余談ですが、家族が横浜スタジアムに某ロックバンドのライブを観に行った時に、ステージ真横の席でメンバーが殆ど見えなかったそうです

 

たまにステージの前の方に出てきてくれたメンバーがチラッと見えるぐらいで、照明などの演出もわからないし、ステージも見えない

大型モニターも角度的に見えないのでステージで何が起こっているのか全くわからなかったそうです

 

「爆音でライブ音源を聞きに行ったみたい」と言っていました。

 

あのバンドですよ、ワールドツアーにも出るような英語詞の多いワールドワイドなバンドで、関西人メンバーにボーカルだけ関東人のエモいロックバンドです

弟さんも似た感じのバンドをやってますね

 

家族は2日とも参戦していたので翌日は真正面から観ることが出来て、なんとか気持ちも収まったみたいですが、1日だけしかチケットが取れなくてそんな場所だったら、もう泣くしかないでしょ

 

実際、泣きそうな顔でふてくされて座っていた女の子もいたそうです

 

こういったことってアーティストはどこまで把握しているんでしょうね、そこがとても気になります

 

もちろんその席も通常の価格ですし、スタジアムだったので当日までどういった場所なのかわからなかったんだそうです

 

ひどい話です。

 

 

そうすると、極論の③「オークション制」になるんですよね

 

レイアウトを事前に発表して全席オークション形式にすれば、前の方は高騰するでしょうが見えにくい場所は安価で買えるかもしれません

 

そして大事なのは、お金さえ出せば必ずライブを観ることが出来て「支払ったお金がキチンと運営側に行く」ということです

 

それでも転売はあるんでしょうけど、規模はかなり縮小しそうですよね

 

繰り返しますが「転売があること」が問題ではなく「転売市場が大きくなりすぎていること」が問題ですので、規模が問題にならないぐらい縮小すればそれでいいんです

 

完全になくすことなんてできるはずもないんですからねー

 

 

声明を出すのは大事なことだとは思うんですけど彼らは「被害者」ではないし、本当の被害者を守るための構造改革ができていないということをよく理解したうえで見守りましょう

 

どんな業界でも既得権益にメスをいれるのは難しいってことですね

 

ではでは