音楽とか、考え事とか

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日々考えたことを書いています。

プロ野球中継は「今、何をやっているのか?」が理解できないと楽しめない

僕は野球に全く興味が無いのでテレビで観ることはまずないのですが、先日たまたまお邪魔したお宅で十数年ぶりにナイター中継を観ました

 

いつの間にかカウント表示の方法が変わっていたのに、まず驚きました

昔は上からSBO(S=ストライク、B=ボール、O=アウト)だったのが、上からBSOになっています、なんで変わったのかな?

 

でもそれ以外にはこれといった変化は感じず、スピード感のない展開で淡々と進み、BGMがスタンドのファンの声援と演奏なのは昔と同じです

実況と解説は(ヒットを打つまでは)抑揚のない話し方で、知識がないと話していることに興味がわきません

 

相変わらず「わかる人間にしかわからない」番組構成だな~と、思いました

 

そこでふと思ったのですが、野球のマンガとかアニメって結構面白いですよね?

古くは「ドカベン」とかで今は「ダイヤのA」がアニメで放送されています

(ナイターはプロ野球でアニメは高校野球というのは今回は論点にしません)

 

もちろんアニメはキャラクターの成長や葛藤に「感情移入する」という物語特有の楽しみ方をしてるんですけど、

そういう物語的な要素だけじゃなく、何話も続く試合のシーンでもかなり楽しめるように作ってますよね

 

ナイター中継と何が違うのかな?とちょっと気になったんです

 

最大の違いは「今、何をやっているのか?」がわかるように解説しながら進むという点です

 

バッテリー(ピッチャーとキャッチャーのこと)が何を考えて配球しているのか?

バッターの狙いやベンチの監督の意図は?その試合におけるその場面の重要性は?

 

など、それぞれの思惑や試合全体における位置づけが、観ている側に理解できるように物語を進めているんですね

それはスタンドで解説する記者であったり、バッテリーの心の声や、分析しながら偵察しているライバルチームの言動などで説明されています

 

「さっきのインハイ(内角高め)の影響で外角低めはまず手がでないだろう」とか

「このバッターを打たせると相手チームが勢いづく、ここで仕留めないと!」といった感じ

 

そういうことを丁寧に解説してくれるから、観ている方は「何が起きているのか?」を理解して「次に何が起こるか?」を予測して楽しむことができるんですね

 

でもこれってアニメだけじゃなくナイター中継に応用できると思いませんか?

 

現状のように、喋ることが専門じゃない人の解説(実績を残した元プロ野球選手)が「わかってる人間の目線」で「野球を知っている人に向けて」話すのではなく、

野球を全く知らない素人でも状況がちゃんとわかるように、声だけでなく画面下に字幕みたいに文字を打っていけばいいと思うんです、バラエティ番組みたいにね

 

画面を分割してグラフや図を使って解説するのもいいかもしれませんし、ストライクゾーンに配球の順に印をつけていけば、観ている側もわかりやすいと思うんです

 

1球目は外角低めのストレートでボール、打つ気満々の打者にボール球から入って様子を見る、打者は見逃し

2球目は内角高めのカットボールでストライク、対角線に投げることで打者の目を慣れさせない作戦、打者はまた見送り

3球目は低めのフォークでワンバウンドのボール球、打者は思わず手が出てストライクになる

 

ツーストライクワンボールでカウントに余裕があるバッテリーは、次の1球をボール球で遊ぶか、もしくは決めに来るか?

バッターはフォークで空振りしたということは変化球を狙っているのか・・?

(あくまで例です、知識がないのでテキトーに配球しています)

 

みたいなのをリアルタイムで表示してドンドン更新していけば、次はどこにどんな球を投げるのか?ワクワクしながら楽しめると思うんです

 

どういう意図で配球しているのか?バッターの狙いは何なのか?

そういうことががわかってきて、 打たれても三振でも、その理由が今よりもはるかに理解できて野球を楽しむことができます

 

「ストレート狙いのバッターに対して高速スライダーで手を出させ、バットの芯を外すことで内野ゴロで仕留められた」みたいにね

 

さらに、そういった戦略をそれぞれのチームの目線からの解説に切り替えられるようにして

 

画面1では守っている側からの解説でバッテリーの意図なんかを

画面2では攻めてる側からの解説で狙い球とかその打者の役割なんかを

 

説明すればいいと思うんです

 

そうすれば贔屓のチームなら応援に力が入りますし、贔屓でなくても観ているうちにファンになるかもしれません

デジタル放送なんだからそういうのもカンタンに出来るんじゃないの?

 

リアルタイムで文字を打つのは高速タイピングが必要になりますが、生放送番組の字幕を打つ人がいるんですから何とかなりそうです

問題は野球の知識と高速タイピングを両方持っている人がいないことですが、専門家が横で言ってることをそのままタイピングすればいいし、需要があれば今後育ってくるでしょう

 

こういった詳しい説明がないと知識のない人間には「何をやっているのか?」がぜんぜん理解できないんです

だから投球シーンはスピード感がなくダラダラして見えて退屈に感じてしまいます

 

大半の視聴者は「投げて打って捕る、ホームベースを踏んだら点が入る」ぐらいの知識しか持っていませんから、そこに向けた放送をしないとなかなかファンが増えないと思うんですよね

 

かつてナイター中継は好視聴率を誇っていましたが、それは単純に「他に娯楽がなかったから」にすぎません

他に娯楽があれば別に野球でなくてもいいわけですから、視聴者を取り込むためにあれこれ工夫をしないといけないんですけど、なかなか変わるのは難しいみたいですね

 

「低迷しているのに変われない」ってやつです

 

せっかくコンテンツとしてのポレンシャルが高いのに、それを生かしきれてないのはすごくもったいないと思うんです

 

そろそろナイター中継もバラエティ化してもいーんじゃないでしょうか?

そんなことを思いました

 

ではでは