音楽とか、考え事とか

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日々考えたことを書いています。

シティーハンター(CITY HUNTER)は元々コメディではなかった

CITY HUNTERという漫画をご存知でしょうか?

 

1980年代後半~90年代前半に連載されていた漫画ですが、若い方なら名前ぐらいしか知らないかもしれませんね

(本当の若者は存在すら知らないかも)

 

エンジェル・ハートが実写化」というトピックをネットで発見して初めて知ったのですが、シティハンターの主人公「冴羽獠」はそのままで全く別のパラレルストーリーの「エンジェルハート」が現在連載されているそうです

 

パラレルワールドとはいえ今も連載されいてることにビックリしましたし、なんだか懐かしい気持ちにもなりました

 

僕はその当時「週刊少年ジャンプ」を毎週かかさず読んでいたので、シティハンターの「新連載第一話目」からリアルタイムで知っています

その時の印象を思い出したのでちょっと書いて記録しておこうと思ったんです

(完全に自分にむけての記録用エントリです)

 

「新連載は巻頭カラーで」というのがジャンプの定番で、たしかシティ・ハンターもそうだったと記憶しています

その後人気が出てアニメ化されましたので、そちらで知ったという方のほうが多いかもしれませんね

 

その方たちはきっとこういうイメージを持っているはず

 

・主人公の冴羽獠は新宿を拠点にボディガードのような仕事をしている

・凄腕だけど女性に節操がなく美人の依頼ばかり引き受けいつも「もっこり」している

※「もっこり」はこの漫画で広まりましたがパイオニアではありません

・相棒の槙村香は獠ことが好きだけど、素直になれずいつもヤキモチを焼いている

・美人の依頼人にメロメロの獠を香は大型ハンマーで追い掛け回し、そのドタバタがコメディタッチで描かれる

・とはいえ、獠はきちんと依頼をこなし美女を守ってすごくカッコイイ

 

こんなところでしょうか

 

アニメは日曜のお昼にも再放送されていたぐらい完全にファミリー向けの内容で、きな臭い仕事の話とはいえ基本的にはコメディアニメでした

 

 「美女に鼻の下を伸ばしながらも凄腕でピンチを解決!ハートをゲット!!」

 

というパターン化されたエンタメで、時代劇とか2時間サスペンスみたいな「家族で楽しむもの」という位置づけだったと記憶しています

 

ところがですね

 

ジャンプで連載が始まった当初は全く違ったんですよ

なんせ第一話から主人公の冴羽獠が人を殺しています

 

そもそも「ボディガード」ではなく「街の掃除屋」で汚れた仕事も冷徹にこなす闇社会の人間なんです

 

たしか第一話の依頼人は末期がんの美人女医で余命半年ほど、ボクサーだった恋人が卑怯な対戦相手に事故を装って怪我を負わされ、それが原因で選手生命を絶たれ失意のあまり自殺

その汚いやり方が許せないが警察の捜査が進むのを待つ時間が自分にはなく、報酬は自分が死んだあと生命保険で支払うからそいつに罰を与えて欲しい

 

という感じだったはずです(概ね合ってるはず)

 

この依頼に対して裏を取った獠は日本タイトルマッチの試合中に、リング上のターゲットに向けて「貫通しない特別仕様の弾丸」を耳の穴に打ち込み殺害します

 

「華やかなリングでの無様な姿がお似合いだ」みたいな決め台詞があったはずです

 

当時小学生だった僕はものすごい衝撃を受けました

「大人のマンガが始まった」とドキドキしたことを覚えています

 

次の依頼は

 

巷をにぎわせてる「連続少女拉致殺害事件」の被害者家族から依頼をうけた獠は、犯人を特定しジワジワと精神的に追い詰め、

焦って逃げる犯人を廃工場(だったかな?)に誘導したうえで、ボウガンで「あえて致命傷にならない箇所」を選んで腕や脚を何発も射抜いたあげく、

極限まで追い詰め恐怖心を与えた上で眉間に銃弾を打ち込んで殺害し、死体もろとも辺りを爆発炎上させています

 

その次は

 

人身売買組織の拉致実行場所に相棒の槇村の妹(これが香です)をオトリで送り込み、

拉致されそうなところを助けた上で、実行犯の男の眼球に銃弾を打ち込んで殺害しています

 

その次はたしか

 

日本進出をもくろむ麻薬密売組織からの依頼を断ったことで、報復として相棒の槇村を殺されてしまい(その後、香が相棒に)、その復讐のため組織の日本進出チームリーダーの男を殺害して、チームを壊滅させています

 

ね?全然「ファミリー向けの話」じゃないでしょ??

 

 少年だった僕はもう夢中で読みました

ダーティーなマンガに「大人の世界」を垣間見ている気になっていたんでしょうねー

 

ところが、連載が進むにつれて明らかにテイストが変わってきたんです

相棒が殺されて妹の「槙村香」が相棒になったあたりからだったんじゃないかな?

 

今にして思えば「はがきアンケート」の人気が芳しくなかったんだと思います

ジャンプは読者アンケートを集め、そこで人気が下位のマンガは「打ち切りになる」というのが方針なんだそうです

 

大人向けのマンガ(を少年誌で連載するの)は時代的にちょっと早すぎたのかもしれませんね

 

そんなことを知らない当時の僕は本当に残念に思いました

コメディタッチのマンガにはドキドキしなかったんですよねー

 

でも路線を変更したことで人気は回復どころか大爆発、アニメ化もされてお茶の間で人気になりましたので方向転換は正しかったのでしょう

 

でもやっぱり残念でした・・

あのままハードボイルドで続けてその先どうなったのかを読みたかったなー

 

その後ジャンプを買わなくなり、立ち読みなどで物語を追いかけていたのですがいつしか全く読まなくなり、気づくと連載が終わっていました

 

なぜか最終回だけ読んだ記憶があり「獠が香に告白するも噛んでしまい、照れ隠しにまた日常のドタバタへ・・」みたいな感じでした

 

さっきwikiで調べたら突然打ち切りになっていたそうですね

でも僕の中ではコメディ路線に転換した時点で終わっていたんです

 

そんなことをふと思い出しました

 

エンジェル・ハートはどういうテイストなのか知らないのですが、青年誌で連載されているようなので思うように描けていらっしゃるといいですね

 

 ではでは